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韓米首脳「ワシントン宣言」発表…「北朝鮮が攻撃した際、核兵器を含む反撃」

登録:2023-04-27 10:20 修正:2023-04-27 13:12
首脳会談後「ワシントン宣言」採択
米国を国賓訪問した尹錫悦大統領とバイデン米大統領が26日(現地時間)、ワシントンD.C.のホワイトハウスのローズガーデンで共同記者会見を行っている=ワシントン/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とジョー・バイデン米大統領は26日(現地時間)、米国のワシントンで首脳会談を開き、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗する韓米拡大抑止強化案が盛り込まれた「ワシントン宣言」を発表した。両首脳は拡大抑止の情報共有・共同企画・共同実行を包括する新しい協議体「韓米核協議グループ」(Nuclear Consultative Group=NCG)創設に合意した。

 尹大統領はこの日の首脳会談後、ホワイトハウスのローズガーデンでバイデン大統領と共同記者会見を開き、「両首脳は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面している中、相手の善意に頼る『虚構の平和』ではなく圧倒的な力の優位を通じた平和を達成するために、両国間の拡大抑止を画期的に強化することで合意した」と述べた。

 「ワシントン宣言」は共同声明とは別の文書であり、両国首脳レベルで拡大抑止に関する別途の文書を採択したのは今回が初。「ワシントン宣言」の骨子となる核協議グループについて、尹大統領は「韓米両国は北朝鮮が核攻撃を行なった際に速やかな首脳間協議を行うことで合意し、これを通じて米国の核兵器を含め、同盟のすべての戦力を使った迅速かつ圧倒的かつ決定的な対応を取ることを約束した」とし、「北朝鮮の核に対応できる『オーダーメード型拡大抑止』協力案」だと述べた。また、「韓米は北朝鮮の核の脅威に対応して、核および戦略兵器の運営計画に関する情報を共有し、韓国の先端通常戦力と米国の核戦力を結合した共同作戦を共に企画・実行するための方策を定期的に協議する」と述べた。

 バイデン大統領も記者会見で「米国や同盟、パートナーに対する北朝鮮の核攻撃は受け入れられない」とし、北朝鮮が核攻撃を強行すれば「政権の終末を招くだろう」と述べた。

 両首脳は、核危機に備えるための図上シミュレーション訓練を強化し、米国の核戦略資産の朝鮮半島への展開も拡大することで合意した。バイデン大統領は韓米核協議グループについて「国軍統帥権者として私が米国では核戦略兵器に対する使用権限を持つことになるが、他の様々な段階のすべての努力において、同盟国と意思を共にし、相談する」とし「核戦略兵器を朝鮮半島に再配備することはないが、その近くに原子力潜水艦は配備できるだろう」と付け加えた。

 両首脳はこのほかにも、韓米同盟をサイバー・宇宙領域に拡張できるよう、韓米相互防衛条約をサイバー・宇宙空間に適用するための議論に突入することで合意し、これに向けた国家安保室(NSC)間の「次世代新興・核心技術対話」の新設と、戦略的サイバー安保協力枠組みの採択を発表した。今回の会談を機に「朝鮮戦争名誉勲章受贈者の身元確認に関する韓米首脳共同声明」も採択した。

 韓国企業に被害をもたらしている経済安保の中心的な関心事であるインフレ抑制法(IRA)と半導体科学法(CHIPS法)も、今回の首脳会談の議題となったが、共同声明には「緊密な協議を続けていくことを約束した」という原則論的な内容だけが盛り込まれた。

 両首脳は、ロシアと戦争中のウクライナへの支援拡大についても意見が一致した。両首脳は「ロシアの明白な国際法違反に断固として対応し、電力生産と送電の拡大、主要なインフラ再建を含め、必須の政治・安保・人道的・経済的支援提供を通じて、ウクライナを引き続き支持する」と共同声明に明示した。殺傷力のある兵器の支援については明示しなかったが、その可能性も排除していないものと分析される。共同声明には「バイデン大統領は韓日関係改善に向けた尹大統領の大乗的措置を歓迎し、地域・経済安保に関する3カ国協力の進展につながる韓日協力拡大を強く支持する」という韓米日協力強化の意志も盛り込まれた。

ワシントン/キム・ミナ記者、ワシントン/イ・ボニョン特派員

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1089569.html韓国語原文入力:2023-04-27 09:28
訳C.M

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