イランが米国船舶のホルムズ海峡通過を阻止する法律を推進していると現地メディアが報じた。イランとオマーンは、海峡の通航を統制し、通航料を課す方法を具体化している。
イランの準国営ファルス通信は6日(現地時間)、イラン議会の国家安全保障委員会が「ホルムズ海峡およびペルシャ湾の安全保障と持続可能な発展のための戦略的措置」法案の草案を検討していると報じた。同通信が議会幹部団所属のアリレザ・サリミ議員から入手した草案によると、敵対国には米国やイスラエルなどが含まれ、これらの国の船舶は海峡の通航が全面的に禁止される。イスラエル関連の貨物は、どの国籍の船に積載されていても海峡を通過することはできない。
また、イランに損害を与えた国や個人は、損害を賠償するまで通航が認められない。無断で通航した場合は、貨物の価値の最大20%に及ぶ罰金を支払わなければならない。航行案内、交通監視、安全保障・環境保護など、イラン政府が海峡で遂行すべき任務を具体化した条項も法案に盛り込まれた。
サリミ議員は、法案が専門家による検討段階にあると伝えた。議会は法案の内容を最終確定する前に、専門家から意見を聴取する予定だ。
同法案とは別に、イランが最近オマーンとホルムズ海峡の再開に向けて行った交渉の内容も伝えられている。ファルス通信はイラン外務省の情報筋の話として、両国が一定期間にわたり、海峡の進出路と進入路をそれぞれ南北に分けることで合意したと、同日付で報じた。海峡から出る船舶はオマーンに隣接する南側の航路を、海峡に入る船舶はイランに近い北側の航路を通るように交通整理を行ったものだ。該当の期間が過ぎれば、すべての通航は海峡中央の航路のみで行われる。この期間がいつからどれくらい続くかは明らかになっていない。
両国は、海峡を通過する船舶に通航料を課す方針も改めて確認した。海峡から出る船舶はイランとオマーンが共同で管理し、入る船舶はイランが専任で管理する。両国は海峡管理費の名目で通航料を徴収する。ファルス通信は情報筋の話として、「船舶の積載貨物の価値に対する通航料の比率をめぐり、イランとオマーンの間に意見の相違があるという報道は事実ではない。料金はイランが提供するサービス水準など、さまざまな要因によって異なる」とも報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が前日、イランとオマーンがそれぞれ5〜7%と3%の通航料率を主張していると報じたことに対する反論だ。
双方は近いうちに合意案を公表する見通しだ。前日、イラン外務省のバガイ報道官は、イラン国営のIRNA通信に対し、「イランとオマーンが協議してきた航路の地理座標について、相互理解に達した」と明らかにした。
ただし、米国がこれに同意するかどうかは未知数だ。トランプ米大統領は、イランによる海峡通航料の徴収を容認できないと主張してきた。米政府高官は6日にも記者団に対し、「(通航に)承認や許可は必要なく、通航料や料金もない。ホルムズ海峡は国際水路であり、いかなる当事者も航路や通航権を統制できない」という原則を確認した。2月28日に米国とイスラエルがイランとの戦争を始めるまでは、この海域の通航は無料だった。
一部では、トランプ大統領がイランの通行料徴収に目をつぶらざるを得ないという見通しも示されている。米国がイランの要求を受け入れず、武力によって海峡を開放することは困難であるからだ。米国は、中東内の米軍基地などを標的としたイランの報復空襲を防ぐ防空ミサイルが不足している。
トランプ大統領としては、11月の米中間選挙までにホルムズ海峡問題などを解決できずに戦争を続ける状況も負担が大きい。AP通信とシカゴ大学世論調査センター(NORC)が先月末に行った世論調査では、米国の成人の約3分の2が、イランと戦争をする価値はないと答えた。共和党支持者の回答者の37%も同様に答えた。
カーネギー国際平和財団の上級研究員であり、民主党・共和党両政権で中東交渉を担当したアーロン・デビッド・ミラー氏はロイター通信に対し、「トランプ(大統領)も、この戦争をずっと続けるわけにはいかないと痛感させられた可能性がある」とし、「何かを譲歩しなければならない。それは、海峡において新たに形成されたイランの現実(支配権など)を認めることになるかもしれない」と指摘した。