米国のドナルド・トランプ大統領が、イランに対する高強度の軍事作戦の再開を真剣に検討中であることが分かった。膠着(こうちゃく)状態にあるイランとの終戦交渉の突破口を模索するための措置だとみられる。このニュースが報じられると、国際原油価格は一時、4年ぶりの最高値を記録した。
29日(現地時間)、米国メディア「アクシオス」は複数の消息筋の話を引用し、トランプ大統領が30日、ブラッド・クーパー米中央軍司令官から、新たな対イラン軍事作戦の計画の説明を受けると報じた。米中央軍が「短期的で強力な」規模のイラン空爆計画を策定したという報道に続き、具体的な会議の時期まで新たに報じられ、この日のブレント原油6月物は、1バレルあたり市場で最大126.41ドル(前日終値比6.6%)まで上昇した。2022年3月以来の最高値だ。
今回の作戦計画では、イランの民間インフラも含めた空爆目標が提示される可能性がある。また、地上軍を送り、ホルムズ海峡の一部を武力占領し、特殊部隊を投入してイランの高濃縮ウランの備蓄を確保する作戦も改めて報告される見通しだと、消息筋は述べた。ブルームバーグ通信もこの日、消息筋の話を引用し、米中央軍司令部が極超音速ミサイル「ダークイーグル」を中東に配備するよう要請したとして、「トランプ大統領が攻撃再開を決断する場合に備え、米国が準備に着手したことを示唆する」と報じた。
アクシオスによると、トランプ政権は軍事的圧力を加えればイランが核交渉のテーブルで前向きな態度を示す可能性に注目しているという。イランとの終戦交渉が平行線をたどり、戦争が長期間の膠着状態に陥る可能性があるとする懸念が出ているため、トランプ大統領はイランに対する強力な軍事行動を選択肢に挙げ、イランに圧力をかけているのだ。これまでは、トランプ政権がイランに対する軍事行動よりも経済的圧力によってイランの譲歩を得ようとしているとの見方が多かった。トランプ大統領は、前日(28日)には石油精製業界の関係者らと面会し、海上封鎖が長期化するとのホワイトハウス側の状況認識を共有し、27日には側近らに長期封鎖を準備するよう指示したとの報道があった。
トランプ大統領はこの日、イランに対する封鎖を継続する意向を表明した。ホワイトハウスで記者団に「封鎖は天才的な戦略だ。100%完ぺきだった」とし、「現時点では、彼らが核兵器を保有しないと同意しない限り、交渉は絶対にないだろう」と述べた。さらに、イランと「電話で問題なく対話している」とし、交渉は急がない考えを示した。
米国に対し、「まず終戦、後に核交渉」を提示したとされるイランは、強硬な態度を崩していない。この日、イランのモフセン・レザイ最高指導者軍事顧問は、イラン国営「プレスTV」を通じて、「米国が最もコストを抑えられる選択肢は、イランの10の条件を受け入れること」であり、「米国が新たに攻撃を敢行する場合、われわれは米軍兵士の相当数を捕虜にするだろう」と主張した。イラン議会のモハンマド・バゲル・ガリバフ議長はソーシャルメディアのXに、米国の海上封鎖は「米国のスコット・ベッセント財務長官のような人が提案したでたらめな助言」のためだとしたうえで、「次の目的地は140」と投稿した。米国の封鎖措置が原因で、国際原油価格が1バレルあたり140ドルまで上昇する恐れがあると批判したのだ。
一方、この日、米日刊紙「ワシントン・ポスト」は、中東地域に配備された米空母3隻のうちの1隻である「ジェラルド・フォード」が、数日以内に現在の作戦地域である紅海を離れ、米国に帰航する予定だと報じた。アラビア海で直接海上封鎖の任務を遂行中の「ジョージ・ブッシュ」と「エイブラハム・リンカーン」はそのまま残る。