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イランの「エネルギー人質」作戦で…国際原油価格、5日間で16%上昇

登録:2026-03-05 07:53 修正:2026-03-05 10:13
「ホルムズ海峡での米海軍のタンカー護衛作戦、近い将来の実行は難しい」との評価
3日(現地時間)、米カリフォルニア州ロサンゼルスの中心部にあるガソリンスタンド。1ガロンあたり7ドルを超えるガソリン価格が表示されている=ロサンゼルス/AP・聯合ニュース

 米国とイランの戦争によってホルムズ海峡が封鎖され、中東からの原油供給が滞っていることで、国際原油価格が開戦前に比べて10%以上上がっている。米国のドナルド・トランプ大統領は3日(現地時間)、保険加入を拒否されたタンカーへの政府保険の提供、米海軍による護衛作戦を検討することを発表したが、その実効性は疑問視されている。

 国際原油価格の基準となっているブレント原油価格はこの日、取引中に一時1バレル当たり85ドルを超え、2024年7月以来の高水準を記録。開戦前の先月27日と比べて16.6%上昇となっている。終値は1バレルあたり81.40ドルで、前日(77.74ドル)に比べ4.7%の上昇。WTI(西テキサス原油)もこの日、ニューヨーク商品取引所で一時1バレル当たり78ドルで取引されるなど、開戦前に比べ16%上昇している。

 原油価格の上昇は、イランの「エネルギー人質」作戦によって中東からのエネルギー供給が揺らいでいるのが原因。特に世界の原油輸送量の27%が通過するホルムズ海峡は、イランの威嚇により事実上封鎖されている。英国を基盤とする海運セキュリティー・リスクコンサルティング企業「EOSリスクグループ」によると、直近の24時間に海峡を通過した船舶は28隻に過ぎない。通常の一日平均通航量(138隻)から80%減だ。海上輸送コストも天井知らずに高騰。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)によると、中東発中国行きの超大型タンカー(VLCC)の一日当たりの傭船料は1週間でほぼ2倍近くになり、史上最高水準の40万ドルを突破している。

 中東の産油国で生産に遅れが出ていることも、価格上昇圧力を高めている。イランから攻撃を受けたカタールの国営エネルギー企業「カタールエナジー」は、液化天然ガス(LNG)の生産を中止。サウジアラビアの世界最大の石油精製港湾都市であるラスタヌラもドローン攻撃を受け、稼働が一部停止している。イラクはホルムズ海峡の封鎖により原油輸出ルートが塞がったことで、減産を開始。事態が長期化するとブレント原油価格が1バレルあたり100ドルを超える可能性がある、との見通しも示されている。

 民間の保険会社が戦争リスクを理由としてタンカーの保険加入を拒否しているため運賃も高騰しており、トランプ大統領はこの日、米国国際開発金融公社(DFC)を通じて湾岸地域を通過するすべての船舶に「政治的リスク保険」を「非常に合理的な価格」で提供すると発表した。しかし、保険は乗組員の安全までは保証できないため、保険だけを信じて運航する海運企業は少ないと思われる。

 トランプ大統領が述べたタンカー護衛作戦も、容易ならざる課題だと評価されている。軍事の専門家たちは、ホルムズ海峡でのタンカー護衛作戦は米海軍にとっても相当なリスクとなりうるとみている。ホルムズ海峡は馬のひづめのようなカーブを描いており、船舶は最大で270度の方向からの脅威に同時にさらされるため、危険性はさらに高まる。EOSリスクグループは「ホルムズ海峡での海軍による護衛作戦は、近い将来に実行可能な解決策とはなりがたい」との評価を示している。

 ホルムズ海峡を通じて輸入原油の3分の1を輸入している中国は、同地域の安全の保障を求めた。中国外務省の毛寧報道官はこの日の定例ブリーフィングで、「ホルムズ海峡とその周辺海域は重要な国際貨物・エネルギー貿易ルート」だとして、「緊張のさらなる高まりを避けるとともに、情勢不安が世界経済にさらに大きな影響を及ぼすのを防止すべきだ」と述べた。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1247724.html韓国語原文入力:2026-03-04 22:31
訳D.K

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