本文に移動

宇宙軍まで出動したマドゥロ大統領逮捕の舞台裏…秘密基地前で射殺の可能性もあった

登録:2026-01-05 06:32 修正:2026-01-05 08:54
爆撃、戦闘機、ドローン150機が同時作戦 
寝室で就寝中の夫婦を逮捕
ドナルド・トランプ米大統領が3日、自身のソーシャルメディアであるトゥルス・ソーシャルに掲載したベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が押送される様子//ハンギョレ新聞社

 ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束・移送作戦は、米軍と情報当局が数カ月にわたって企画したもので、150機以上の航空機、サイバーおよび宇宙戦能力、海軍と空軍、海兵隊などの立体的な合同攻撃が組み合わされた精密な複合作戦だったと、ダン・ケイン合同参謀議長が3日(現地時間)に述べた。

 ケイン議長は同日の記者会見で「断固たる決議(Operation Absolute Resolve)」と命名された今回の作戦について、「ドナルド・トランプ大統領が前日午後10時46分(東部基準)、作戦開始を承認し、その後米全域と西半球20カ所以上の基地から150機以上の爆撃機、戦闘機、偵察機、ヘリコプター、ドローンが同時に離陸し作戦に突入した」と明らかにした。さらに「この作戦は統合という単語だけでは説明できないほど複雑なものだった。すべての要素が精密にかみ合って成功することができた」と述べた。

■ヘリ部隊、海面から30メートルの低空飛行…ベネズエラの防空網が麻痺

 作戦には戦闘機(F22、F35、F/A18、E/A18)、爆撃機(B-1)、偵察機、E-2空中早期警戒機、ドローンが投入された。サイバー司令部と宇宙司令部は、非殺傷電子戦能力を活用し、ベネズエラの防空網を麻痺させた。首都カラカス全域の照明も遮断された。 空中援護の下、海上に接近したヘリ浸透部隊は探知を避けるために海水面から30メートルの低空飛行を行い、カラカス中心部のマドゥロ邸に向かった。ケイン議長は「午前1時1分、部隊がマドゥロの居場所に到着し、素早く精密に建物内部に進入した」と述べた。トランプ大統領は作戦当時の状況をリアルタイムで見守り、マドゥロ大統領が「安全部屋」に逃走しようとしたところ制圧されたと伝えた。

 マドゥロ邸に到着したヘリは射撃を受けた。ケイン議長は「圧倒的な火力と自衛権に基づく武力使用で応射した。航空機1機が撃たれたが、飛行可能な状態を保った」とし、「米法務部要員が米軍の支援を受けてマドゥロとその妻シリア・フローレスを逮捕し、米軍の人命被害はなかった」と述べた。

 CNNの報道によると、米軍は真夜中に寝ていたマドゥロ大統領夫妻を寝室から引きずり出したという。トランプ大統領は、グレーのトレーニング服姿で押送されるマドゥロ大統領の写真を公開した。トランプ大統領は記者会見で、マドゥロ大統領が厚い鉄製のドアがある安全部屋に避難しようとしたが、米軍が迅速に行動してそれを防いだとし、「彼はドアまではたどり着いたが、ドアを閉めることができなかった」と述べた。トランプ大統領はマドゥロ大統領が抵抗した場合、射殺まで考えたかという質問に「そのようなことが起きたかもしれない」とし、多くの抵抗と銃撃があったと答えた。

■マドゥロ大統領の隠れ家を模した施設で実戦訓練

 ケイン議長は「情報機関のリアルタイムの支援が非常に重要だった」とし、「CIA、NSA、国家地理空間情報局(NGA)の協力で、マドゥロの位置、移動経路、生活習慣、さらにはペットの名前まで正確に把握した」と説明した。ニューヨーク・タイムズ紙によると、CIAは昨年8月からベネズエラ現地に要員を密かに派遣した。要員らはマドゥロ大統領の「生活パターン」と移動動線に対する情報を収集し、今回の作戦の土台になった。

 同紙の報道によると、ベネズエラでは軍人や民間人を含め少なくとも40人が死亡したと、匿名のベネズエラ高官が話したという。トランプ大統領はマドゥロ大統領の逮捕過程で同大統領を守っていた多くのキューバ人が命を失ったと述べ、キューバ警護員の多数が死亡したこともほのめかした。

テキサス州ケイティのウェストハイマーパークウェイにある「ミ・ケレンシア・ラテンマーケット」の駐車場で、一人の女性が米国ドナルド・トランプ大統領、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領夫妻の姿が描かれた絵を掲げている=ヒューストン/AP・聯合ニュース

 トランプ大統領は同日朝のFOXニュースのインタビューで「テレビドラマを見るように見守った。驚くべき場面だった」と語った。そして、今回の作戦のためにマドゥロ大統領の隠れ家を精密に模した施設を事前に建て、特殊部隊が数カ月間、数回にわたって訓練を繰り返したと明らかにした。逮捕されたマドゥロ大統領夫妻は午前4時29分、USS硫黄島強襲揚陸艦に到着した。マドゥロ大統領はその後、グアンタナモ基地を経て連邦捜査局(FBI)のチャーター機でニューヨークに移送された。

■ビンラディンを捕らえたネイビーシールズと並ぶ特殊部隊「デルタフォース」

 ニューヨーク・タイムズ紙は米政府関係者の話として「投入された部隊は米陸軍のデルタフォース」だと報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は今回の作戦にデルタフォースと「ナイトストーカーズ」と呼ばれる第160特殊作戦航空連隊が動員されたと報道した。デルタフォースは、2011年にアルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン氏を殺害したことで有名な海軍のネイビーシールズとともに、米合同特殊戦司令部(JSOC)の主軸戦力だ。1970年代の一連の大型テロ事件後、英国空輸特戦団(SAS)をモデルに1977年に創設された。正式名称は「第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊」で、対テロ・人質救出だけでなく直接行動、特殊偵察など広範囲な特殊任務を遂行する。ナイトストーカーズは、ビンラディン氏殺害作戦当時、ネイビーシールズの隊員を輸送した。彼らはデルタフォースやネイビーシールズと共に低高度航空作戦を遂行する場合が多いという。

 米軍は昨年12月初めに作戦を遂行する準備を終えたが、民間人の被害を最小化しつつ奇襲効果を極大化し、マドゥロ大統領が負傷する可能性を最小化するためにクリスマスと新年を過ぎて適切な時を待ち、前日(2日)の夜に気象条件が適切だと判断されたとケイン議長は明らかにした。

 逮捕されたマドゥロ夫妻は午前3時39分、米軍の航空母艦に到着した。その後、グアンタナモ基地を経て、午後4時40分頃、ニューヨークのスチュワート空軍州兵基地に到着した。その後、ニューヨーク市ブルックリンにあるメトロポリタン拘置所に収監された。

 ソーシャルメディアには、黒いパーカーに帽子を着用したマドゥロ大統領が麻薬取締局(DEA)ニューヨーク支部とみられる建物内から連行される場面を収めた短い映像が公開された。映像の中のマドゥロ大統領は余裕のある表情で自身を連行する麻薬取締局の要員にスペイン語で「良い夜ですね」と話しかけた後、英語で「グッドナイト、ハッピーニューイヤー」と言い、余裕ありげな態度を見せた。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1237875.html韓国語原文入力: 2026-01-04 20:23
訳H.J

関連記事