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韓国が標的?…トランプ「米国産牛肉を拒否している国に通告」

登録:2025-07-26 02:26 修正:2025-07-26 09:19
「オーストラリアの輸入決定は米国産牛肉が最高だという証拠」
24日(現地時間)に米国ダラスの精肉店で販売されている肉=ダラス/AP・聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ大統領が、オーストラリアによる米国産牛肉の輸入決定を宣伝しつつ、輸入を拒否している国々に対する「警告の性格を帯びた」メッセージを発した。貿易交渉でコメと牛肉を除外しようとしている韓国にも圧力がかかるとみられる。

 トランプ大統領は24日(現地時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「オーストラリアに非常に多くの牛肉を販売するだろう。なぜならこれは、米国産牛肉が全世界で最も安全で最高だという否定できない証拠だからだ」と記した。続けて「米国のすばらしい牛肉を拒否するその他の国々は『通告』を受けた」と書いた。トランプ大統領がその他の国々に伝えたというメッセージ(ON NOTICE)は、主に「警告」あるいは「通告」の意味で用いられるが、トランプ大統領が大文字を使って強調していることを考えると、警告の意味が強いと読み取れる。米国産牛肉の輸入を拒否している国々にも輸入を迫っているということだ。

 米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表も声明で、「オーストラリアは数十年間、米国産牛肉に不当な(貿易)障壁を課してきた」とし、「オーストラリアの今回の決定は、米国の農家と牧場主の市場アクセスを確保する重要な道しるべ」だと評価した。

トランプ大統領のトゥルース・ソーシャルより//ハンギョレ新聞社

 ロイター通信は、昨年オーストラリアは約29億ドル(約4兆ウォン)、40万トンの牛肉を米国に輸出した一方、オーストラリアが輸入した米国産牛肉は269トンのみだと報道した。

 オーストラリアは、今月28日からカナダやメキシコで生まれて米国で屠畜された牛肉の輸入が認められると24日(現地時間)に発表した。オーストラリアは2003年から、BSE(牛海綿状脳症)を懸念して米国産牛肉の輸入を制限してきた。2019年からは、米国で生まれて米国で飼育および屠畜された動物の肉類の輸入は認められている。しかし、生産過程でカナダやメキシコを経由した肉類は輸入を制限したままで、両国を経ずに米国だけで生産された牛肉であることを立証できる供給業者がなかったため、制限幅は依然として広かった。オーストラリアは、今回の米国産牛肉の輸入決定は米国の牛の追跡および管理システムが改善されたことがその理由だと説明しているが、オーストラリア国内では検疫問題がくすぶっている。ブルームバーグ通信はオーストラリア政府による牛肉輸入拡大について、「トランプ大統領をなだめようとしているとみなされている」と解釈している。

 韓米の経済・安保の司令塔による「2プラス2通商協議」が延期された中、トランプ大統領の発言が飛び出したことで、韓国も米国産牛肉の輸入を迫られるだろうとの分析が示されている。このかんトランプ大統領は、30カ月齢以上の米国産牛肉の輸入を禁止している国は、ロシアとベラルーシを除けば韓国が唯一だとして、月齢制限の解除を要求してきている。

 ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は25日、米ワシントンで産業通商資源部(産資部)のヨ・ハング通商交渉本部長とともに、米国のスコット・ベッセント財務長官、USTRのグリア代表との韓米2プラス2通商協議に臨む予定だったが、出発の1時間前に米国の会談取り消しを知らされた。ウィ・ソンラク国家安保室長も、訪米期間中にマルコ・ルビオ国務長官兼大統領補佐官(国家安保担当)代行との対面による会談が実現せずに日程を終えている。韓国は米国に市場開放を迫られ、農産物品目では食糧安保と直結する米と牛肉に代わって、バイオエタノール用トウモロコシなどの「燃料用作物の輸入拡大」を考えてきた。

 大統領室は25日、午後に秘書室長の主宰で政策室長、安保室長、経済副首相、国務調整室長らが出席する通商対策会議が開かれる予定であることを明らかにした。トランプ政権が提示した相互関税の発効日は来月1日。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1210027.html韓国語原文入力:2025-07-25 17:43
訳D.K

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