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「韓国、企業文化が多様」、「日本では複雑なスペックがなくても就職できる」(1)

登録:2025-07-17 06:36 修正:2025-07-17 08:30
[光復80年、韓日国交正常化60年] 
日本に就職した韓国人、韓国に就職した日本人 
 
韓国に就職した日本人が少数だが増加中
日本の就職コンサルティング会社「KOREC」が11日、ソウル中区のミリオレ・ホテルソウル明洞で開催した就職博覧会「KORECキャリア万博」の様子。日本現地企業10社と韓国の求職者200人が参加し、日本現地の企業担当者から説明を聞いている=イム・ジェヒ記者//ハンギョレ新聞社

1965年6月22日、韓国と日本は国交正常化を行い、請求権協定を結んだ。韓国は請求権協定で提供された資金をもとに、経済成長を推進し、両国の経済は相互依存的な関係を結んできた。韓国と日本の若者たちの相手国への就職と光復後の両国経済関係を通じて、光復80年、国交正常化60年間変わってきた韓日の経済的関係を覗いてみる。

 「韓国は日本より企業文化が多様です。『コンデ』(自身の経験を一般化して若い人に考えや行動などを一方的に強制する年長者のこと)文化がある会社もありますが、今通っている会社は自律出勤制で、服装も自由なんですよ。日本はまだ通勤時間が柔軟なフレックスタイム制を導入した会社も多くなく、女性は必ず化粧をしなければならない文化もあります」

 韓国の化粧品会社で海外営業を担当する会社員3年目のヨコヤマ・キキさん(26)は「会社は働くところだから、服装や見た目に気を使いたくなかった」とし、日本に比べて自由な職場の雰囲気を韓国で働く最大のメリットに挙げた。11歳の時に韓国ドラマ「美男(イケメン)ですね」を見て、高校で韓国語を学び韓国で大学を卒業したヨコヤマさんは、韓国と日本の企業の間で賃金の差もあまりないと感じている。「日本で銀行に勤めている友人も手取りがひと月20万円にもならないそうです。(日本では)経歴があるほど給料も上がるでしょうが、新入社員の時は韓国企業の方が給料が高いかもしれません」

 かつてはごく少数だった韓国で就職して働く日本人が、少しずつ増えている。法務部の資料によると、医師や弁護士ではない外国人が韓国企業に就職する際に発給される特定活動ビザ(E-7)で韓国に滞在する日本人の数は、新型コロナウイルス感染症の流行直前である2019年末の403人から今年5月の642人へと、6年間で200人以上増えた。「ワーキングホリデービザ」の観光就労ビザ(H-1)を取得した日本人は、同期間1076人から1592人へと500人以上増加した。韓国人と結婚したケースや、研究、芸術、スポーツ分野など他のビザで就職した人まで合わせると、実際の就労者数はこれより多いとみられる。

 音楽コンテンツ関連の韓国スタートアップ企業に勤めているカネコ・サヤさん(31)も2019年にワーキングホリデーで、旅行ではなく韓国で暮らし始めた。カネコさんは「日本では大学を卒業して就職する間に空白が生じることが恐れられている」とし、「ワーキングホリデーで1年間韓国に来る前に『後で日本に帰った時、空白と捉えられたらどうしよう』とかなり心配した」と当時を振り返った。コロナ禍により1年足らずで日本に帰らなければならなかったが、ワーキングホリデーの時に務めた会社が自分に合うと思い、2023年に再び韓国に戻ってきた。今勤務している会社がワーキングホリデーの時に働いていたところだ。ワーキングホリデーが空白ではないということを見せなければならないという考えが動機づけになったりもする。カネコさんは「日本に帰った時、私が韓国でどんな経歴を積んだのか証明するためには、一生懸命働かなければならないと思っている」と語った。

 韓国で就職を希望する日本人は皆、就業ビザという壁にぶつかる。今年初め、韓国と日本の合弁会社に通訳士として就職が予定されていたナカムラ・カオリさん(42)はビザを取得できず、入社が一度延期された。5年以上の経歴のない外国人が特定活動ビザを取得するには、修士号を持っているか、学士号と1年以上の経歴が必要だからだ。2023年に韓国に渡ったナカムラさんは、8月に韓国の通訳翻訳大学院の卒業試験が残っており、大学院課程修了状態だった。ナカムラさんは「ビザ発給が拒否された後、会社からはアルバイトとして働くことを提案されたが、今回は在学生ではないため、働いたら違法になる。そのため経済活動が何もできない状況」だと語った。それと共に「日本の学校に通ったことのない韓国人の友人は、日本企業への就職が決まってすぐにビザを取得し日本で働いている」とし、「韓国の就労ビザは生産活動を認めず、個人も政府も損をするおかしな制度」だと指摘した。

 日本に比べて生活物価が高いことも悩みの種だ。ヨコヤマさんは「韓国では2千ウォン(約213円)の500ミリリットルのコーラ1本が、日本では100円前後」だとし、「日本では自炊した方が明らかに安いが、韓国は魚や野菜などが(日本より)高くて、自炊と外食にあまり差がない」と話した。その代わり「交通費や電気料金などは、国家が運営する韓国の方が民間企業が運営する日本よりはるかに安い」と付け加えた。

 日本人にとって韓国社会の「パルリパルリ(はやくはやく)」文化は挑戦であり不安要素だ。カネコさんは「韓国で初めて働き始めた時は『こんなに速く処理してもいいのか』と思うほどだったが、今は私もそのスピードで仕事ができるようになった」とし、「ミスなくやり遂げた方が良いという考えで長い時間をかける保守的な日本社会も、韓国のように何かスピーディーに試みてみるのも良いかもしれない」と話した。一方、ナカムラさんは「韓国ニュースを見ると、建設現場のような現場で事故が起きたというニュースが信じられないほど多い」とし、「費用は多くかかるかもしれないが、少なくとも守らなければならない安全をおろそかにする雰囲気を感じる度に、とても残念に思う」と語った。

(2に続く)

イム・ジェヒ記者、東京/ホン・ソクジェ特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1208177.html韓国語原文入力:2025-07-16 08:45
訳H.J

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