ロシアの外相が北朝鮮に続き中国を訪れた。ウクライナ戦争の休戦などの事案で米国と摩擦を起こしているロシアが、北朝鮮や中国との友好関係を固めるのに奔走している様子だ。
13日、中国外務省は、王毅中国共産党中央委員会政治局委員兼外相が、北京を訪れたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談したと発表した。ラブロフ外相は12日、北朝鮮の元山(ウォンサン)で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と面会してから、直ちに中国訪問に乗り出した。ラブロフ外相は15日から中国の天津で開かれる中ロ主導の経済・安全保障協議体である「上海協力機構(SCO)」外相会議に出席するため、中国を訪れた。王毅外相とラブロフ外相の会談は今月10日、マレーシアのクアラルンプールで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)外相会議への出席を機に会ってから3日後に行われた。
中国とロシアは、不安定な世界秩序の中で戦略的協力を強化する考えを示した。王毅外相は会談で、「中ロ関係は現在最も安定的で成熟し、戦略的に価値のある関係」だと評価したうえで、「両国は激動し変化する世界がもたらした挑戦に共同で対処することに重点を置いている」と述べた。これに対し、ラブロフ外相は「ロシアは両国首脳の戦略的指導のもと、中国と多様な分野で協力を深め、ロ中関係の新たな成果を促進する意向がある」と呼応した。
ロシアはウクライナ戦争などをめぐり米国と対立し、北朝鮮、中国とさらに密着する動きを見せている。第2次ドナルド・トランプ政権発足と共に、雪解けの局面に入ったかのように見えた米ロ関係は、再び冷え込んでいる。ロシアが米国のウクライナ戦争休戦構想に従わず、ドナルド・トランプ米大統領は圧迫に乗り出している。トランプ大統領は10日(現地時間)、米国NBCの放送で、ウクライナ戦争と関連し「月曜日(14日)にロシアに対する重大声明を発表することになるだろう」とし、「ロシアに失望したが、今後2~3週間でどんなことが起きるのか静観する」と述べた。
米国が圧力をかけている中で、ロシアは朝中ロ三角編隊のあいだの距離を縮めている。中ロ外相会談では、ウクライナ危機、イランの核問題とともに朝鮮半島問題などに対する意見交換も行われたと、中国外交部は伝えた。この事案について具体的にどのような議論が行われたかは明らかにされていないが、ラブロフ外相が訪朝直後に中国を訪れ、金正恩委員長への表敬訪問の結果などについても伝えたものとみられる。