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中国を訪問したウクライナ外相「ロシアとの対話・交渉に向け準備している」

登録:2024-07-25 10:26 修正:2024-07-25 11:31
クレバ外相、王毅外相と会談 
「恒久的な平和のための実質的な議論がなされなければならない」
24日、中国広州で王毅外相(右)とウクライナのドミトロ・クレバ外相が会談し、握手している=中国外交部提供//ハンギョレ新聞社

 中国を訪問したウクライナの外相が、2年6カ月にわたり戦争が続いているロシアとの対話・交渉に乗り出す意向を明らかにした。

 中国外交部の毛寧報道官は、24日午後の定例会見で、中国南部の広州を訪問したウクライナのドミトロ・クレバ外相が中国の王毅外相兼共産党中央委員会委員と会談し、このような考えを明らかにしたと述べた。

 中国外交部は、クレバ外相が「ウクライナはロシアと対話・交渉をすることを考え準備している」とし、「当然、交渉は理性的で実質的な意義があるものでなければならず、目的は公正で恒久的な平和の実現でなければならない」と述べたと伝えた。王外相はこれに対し、「最近、ウクライナとロシアの双方がそれぞれ異なる程度で交渉を望んでいるというシグナルを発した」とし、「条件と時期が熟していないとしても、我々は平和に役立つすべての努力を支持し、休戦と平和会談復元のために引き続き建設的な役割を担いたい」と述べた。

 今回の発言は、ウクライナの外相が、これまでロシア側と歩調を合わせてきた中国を訪問した場で表明したという点で意味が深い。中国はウクライナ戦争勃発後、ロシアとの経済交流を強化し、今年5月にはロシアのプーチン大統領を招いて両国の戦略的パートナーシップを深めるなど、ロシア側に立ってきた。クレバ外相はこの日、中国が今年5月にBRICS加盟国であるブラジルとともにウクライナ戦争の政治的解決策として提示した「6つの共通認識」についても「ウクライナは中国の意見を重視し、中国とブラジルが提示した6つの共通認識を真剣に研究した」と述べた。中国が提示した「6つの共通認識」は、戦場の外部拡散、戦闘激化、相互刺激の防止▽ロシア・ウクライナ双方が認めて平等に参加する国際平和会議の招集▽人道的支援強化、民間人保護、戦争捕虜交換支持などの内容を含んでいる。

 これに先立ち、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も15日にキーウで行った記者会見で、11月に2回目の平和会議を推進するとし「2回目の会議にはロシア代表団も参加しなければならないと考える」と述べた。ウクライナは先月開いた1回目の平和会議にはロシアを招致せず、これまでロシアと交渉するという意思を明らかにしたことも事実上ない。ウクライナ大統領と外相が相次いでロシアとの交渉の意思を明らかにしたのは、11月の米国大統領選挙で「ウクライナ戦争を終わらせる」と公言するドナルド・トランプ前大統領の当選の可能性が高まっていることを念頭に置いたものという評価が出ている。トランプ前大統領は、ウクライナに対する米国の軍事支援を否定的にみている。トランプ前大統領が当選した場合、ウクライナは一部の領土がロシアに占領されている中、不利な状況で平和協定に取り組むよう迫られる可能性がある。

 これをきっかけに中国が積極的な仲裁に乗り出すかどうかも関心事だ。同日、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官はゼレンスキー大統領の平和会議への招致意思について、「何より、誰も彼を信じない。彼が嘘をついていることは誰もが知っている」と一線を引いた。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1150561.html韓国語原文入力:2024-07-24 21:28
訳C.M

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