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駐韓米国大使「表現の自由信じるが緊張は緩和すべき」…北朝鮮向けビラの自制求める

登録:2024-06-12 08:20 修正:2024-06-12 10:37
フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使が11日、戦略国際問題研究所(CSIS)のポッドキャスト対談に参加している//ハンギョレ新聞社

 フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使は、北朝鮮の「汚物風船」は緊張を高める行為だと非難しつつ、韓国の民間団体による北朝鮮に対するビラ散布も状況に責任があるという趣旨の発言をおこなった。

 ゴールドバーグ大使は11日、米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」のポッドキャストの対談で、北朝鮮による「汚物風船」の南への散布は悪い行為だと述べつつ、「米国務省の報道官が述べたように幼稚だ」と語った。同氏は、「私は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と韓国政府がこのような挑発行為を、同盟を強化し、決意を示すことで、最善を尽くして抑制することを示す措置を取るのは当然だと考える」と述べた。

 ゴールドバーグ大使は、現状は予測が非常に難しいものの、「我々は何に対しても備えができている」と語った。同氏は、「在韓米軍は状況を時間単位、分単位で観察しており、駐韓米国大使館もどのようなことにも備えができている」と述べた。また「米国の公約が疑われることなく、韓国と韓国人が安心できるよう、軍事・安保政策を全体的に議論している」とし、「韓国にいる2万8500人の米軍は長期的安保公約の証拠」だと語った。

 北朝鮮の行動の背景についてゴールドバーグ大使は、ロシアとの関係を強化する一方で、中国との関係を管理しようとしているという新たな局面と関係がありうると述べた。また、緊張の高まりは「統一を望まないとした北朝鮮の新たな政策や、韓国を敵と規定したことなど、進みつつある何かの一部」だと述べた。

 9・19南北軍事合意の破棄と効力停止をめぐる緊張にも言及した。

 ゴールドバーグ大使は、「これはまた、部分的には北に散布されるビラに対する北朝鮮の反応と関係がある」としつつ、「もちろん我々は表現の自由を信じるが、緊張は高めるのではなく緩和すべきということも理解している」と語った。

 このような発言は、北朝鮮へのビラ散布が北朝鮮を刺激し、「汚物風船」による報復を招いたと評するものと解釈される。表現の自由を理由としてビラ散布の制止は行わないとする韓国政府とは異なり、散布の自制を求めたものとも解釈される。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1144449.html韓国語原文入力:2024-06-12 06:05
訳D.K

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