ガザ戦争を展開するイスラエルに対する国際的圧力が劇的に高まっている。国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相を含むイスラエル指導部に対する逮捕状の発行を模索しているとされる中、トルコは2日(現地時間)、イスラエルとの交易の中止を突如宣言した。
英BBCはこの日、ICCがガザ戦争を起こした戦争犯罪容疑でイスラエル高官に対する逮捕状の発行の可能性を打診していることに関連し、ネタニヤフ首相が「歴史的な暴挙」だと述べ、ICCのこのような試みはイスラエルの自衛権をまひさせると非難したと報じた。BBCは、ネタニヤフ首相がこのような攻撃的な発言をおこなったことは、イスラエル指導部に対する逮捕状の発行が水面下で積極的に進められていることを示唆していると評した。
米ニューヨーク・タイムズやNBCなどは先月28日、ICCが今週中にネタニヤフ首相、ガラント国防相、イスラエル国防軍(IDF)のヘルジ・ハレヴィ参謀総長に対する逮捕状の発行を準備していると言われていると報じた。イスラエルのある高官はNBCに「外交チャンネルを通じて逮捕状発行を阻止する努力を続けている」と語った。ネタニヤフ首相に対してICCから逮捕状が発行されれば、西側陣営内の民主主義を標榜する国の指導者としては初となる。
ただしイスラエルはICCの加盟国ではないため、ICCにイスラエルに対する管轄権はないと主張している一方、ICCは、パレスチナがICCの設置法を批准した2015年以降は、国際的に公認されたイスラエルの領土ではないヨルダン川西岸、東エルサレム、ガザに対する管轄権があると規定している。ネタニヤフ首相らイスラエルの指導部に対して逮捕状が発行されても執行される可能性はないが、国際社会に及ぼす影響は大きいと予想される。
ICCは逮捕状について言及していないが、昨年12月にカリム・カーン主任検察官はイスラエルとヨルダン川西岸地区を訪問して発表した声明で、「すべての行為者は国際的な人道主義法を守らなければならない」、「守らないなら、私の事務所の対応が必要になったとしても不平を言わないでほしい」と述べている。同氏は、ハマスがイスラエルの1200人の住民を殺害したことを「人類の良心に衝撃を与えた最も重大な国際的犯罪の一部」だと批判しつつも、ガザで展開されるイスラエルの軍事作戦も「武力紛争を律する明確な法的基準」に従って遂行されなければならないとし、義務を強調している。
一方、トルコはこの日、イスラエルとのすべての交易の中止を宣言した。両国の昨年の貿易規模は70億ドル(約9兆5410億ウォン)にのぼる。トルコ貿易省はパレスチナ領土の「悪化する人道的危機」に言及しつつ、交易の中止を発表した。そして「イスラエル政府がガザに対する中断されることのない十分な人道支援の通過を認めるまで、この新たな政策を厳格に、かつ断固として実行する」と表明した。
これは、前日にコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が「集団虐殺の時代が、人間を絶滅させる時代が迫っているのを見てばかりいることはできない」と述べてイスラエルとの断交を表明したことに続く国際社会の反発だ。この他にも、ボリビアが昨年11月にイスラエルのガザ侵略を批判して外交関係を断っており、続いてベリーズもイスラエルと断交している。
さらにトルコ議会は、昨年12月に南アフリカ共和国がおこなったイスラエルの集団虐殺でのICCへの提訴に介入する、との立場を表明した。トルコ議会のジュネイト・ウィクセル司法委員長は前日夜の声明で、同国のエルドアン大統領の決定に従い、法的手続きを経てICCに申請書を提出する予定だと述べ、イスラエルに圧力をかけた。