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103歳のイタリア女性「有効期限切れの運転免許」で運転中に検挙

登録:2024-03-18 07:50 修正:2024-03-18 09:05
104回目の誕生日を前にしたイタリアの女性 
友人に会いに深夜に運転をして車両押収
イタリア現地メディア「カゼッタ・ディ・モデナ」のインタビューに応じるジュゼッピーナ・モリナリさん=カゼッタ・ディ・モデナのウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 イタリアで有効期限切れの運転免許証で車を運転した103歳の女性が警察に捕まり罰金を支払った。

 14日(現地時間)のAFP通信の報道によると、12日深夜1時にイタリア北部の都市フェラーラで車を運転していたジュゼッピーナ・モリナリさんが、近所からの通報を受けて出動した警察に捕まり罰金を払った。1920年生まれのモリナリさんは、今月19日に104回目の誕生日を迎える。

 当時通報を受けて出動した現地警察は、道路で危険な運転をしていたモリナリさんを発見。イタリアでは80歳を超える高齢の運転者は、2年ごとに健康診断を受けて免許証を更新することになっている。警察の調査の結果、モリナリさんは2年前に運転免許の有効期限が切れていたが、友人に会うためにハンドルを握ったことが明らかになった。警察は、深夜で周辺が暗かったため、モリナリさんが方向感覚を失って車をまともに運転できなかったと判断した。警察はモリナリさんに罰金を科す一方、車両を押収した後に彼女を自宅まで送った。

 今後は運転できなくなったモリナリさんは、現地メディアのインタビューで、「(イタリアのスクーターブランドである)ベスパを買うつもりだ」と述べた。モリナリさんは、スクーターを買うまでは自転車に乗って友人に会いにいくつもりだという。フェラーラ市のアラン・ファブリ市長はこの事件について、フェイスブックに「(モリナリさんには)罰金よりもメダルを与えたい。こうした内面の力を持つことは容易ではない。私に老年に対する希望を与えた」と評した。

 幸い、モリナリさんの運転は特別な事故にはつながらなかったが、韓国でも高齢運転者をめぐる論議は提起され続けている。道路交通公団の統計によると、2022年時点で交通事故全体では前年より3.1%減少したが、高齢運転者の交通事故はその期間中に8.8%増加した。

 高齢化の進行を受け、高齢運転者は徐々に増加する見込みだ。これについて韓国政府は、2019年から高齢運転者による事故を減らすため、65歳以上を対象に運転免許の自主返納制度を施行している。地方自治体ごとに違いはあるが、免許証を自主的に返納すれば、地域貨幣やプリペイドの交通カードなどで10~30万ウォン(約1万1000~3万3000円)相当の特典が与えられる。

 ただし強制性はなく、実際の自主返納率は2%台にすぎない。アクサ損害保険が先月、運転者1400人を対象に実施したアンケート調査でも、回答者の45.8%が65歳を超えても運転免許を自主返納するつもりはないと答えた。自主返納する意向があるという回答者は、全体の22.9%にすぎなかった。

 一方、警察庁は、高齢運転者の安全運転規則として、悪天候での運転を避ける▽安全な距離を保って歩行者を確認する▽服用中の薬が運転に影響を及ぼさないかを医師や薬剤師に相談する▽運転中に内部の騒音を自制する▽視野の確保を徹底することなどを求めている。

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1132422.html韓国語原文入力:2024-03-15 11:54
訳M.S

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