支援物資のため集まったパレスチナのガザ地区住民に向けて発砲し、100人以上が死亡する惨事が起きてから3日後、イスラエル軍がまたもや支援物資を求める人々を攻撃する事態が起きた。
3日、ガザ地区南部のデイルアルバラでイスラエル軍が支援物資を配るトラックを攻撃し、少なくとも9人が死亡、数人が負傷した。「アルジャジーラ」とパレスチナのニュース通信社「ワファ通信」が4日付で報道した。
事件を目撃した住民は「アルジャジーラ」に「(イスラエル軍の)ミサイルが雨のように降り注ぎ、破片が周囲に飛び散り、遺体が空中に舞い上がった」と語った。また「このトラックは支援物資を輸送しており、民間のボランティアが乗っていた」とし、「ガザ住民に配る食料品を載せていた」と伝えた。住民たちはデイルアルバラは安全地帯と宣言されたところだと話した。
同放送によると、ガザ地区南部のクワイティ近隣のサラアルディン通りでも救援物資を求めて集まった住民に対する「恐ろしい虐殺」で数十人の死傷者が発生したと、ガザ地区保健省のアシュラフ・アルクドラ報道官が3日夜に主張した。また「イスラエル軍は今、生き残るために食べ物などを切実に待っている人々を攻撃目標にしているようだ」と批判した。イスラエル軍当局はこのような報道について論評していない。
イスラエル軍は先月29日、支援物資のために集まった住民らに発砲し、少なくとも115人が銃傷を受けるか、驚いた住民が逃げる過程で圧死して死亡した。イスラエル軍は、支援物資の輸送隊に向かって直接発砲しておらず、ただ兵士たちに「直接的威嚇」を加えた「何人かの個人」だけに対応したと主張したが、国際的批判世論が高まっている。昨年10月7日のガザ戦争勃発後、イスラエル軍のガザ地区封鎖で食糧を手に入れることが難しいガザ地区の住民たちは支援物資を受け取るために必死だ。このため支援物資を配るトラックが現れると、住民たちが周囲に集まってトラックに轢かれたり、イスラエル軍の攻撃を受ける事態が最近相次いでいる。
ガザ地区保健省は3日、ガザ市のカマル・アドワン病院で、この数日間に少なくとも15人の子どもが栄養失調と脱水で死亡したと発表した。国連の児童救護機関ユニセフの中東・北アフリカ地域担当のアデル・ホドル所長は同日の声明で、「ガザ地区の児童に支援物資が行き届かなければ、多くの児童が脱水と栄養失調で死亡するだろう」と警告した。さらに「懸念していた子どもの死亡が今起きている。戦争を終えて人道支援に対する障害を直ちに解消しなければ、(子どもの死亡が)急速に増加する」と述べた。