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イスラエルの空爆で生後17日の新生児まで…ガザ地区の死亡者2万人に迫る

登録:2023-12-21 06:43 修正:2023-12-21 07:35
19日(現地時間)、パレスチナのガザ地区南部のラファにある病院で、イスラエル軍の空爆で死亡した新生児の遺体を見ながら、パレスチナ人の家族が悲しんでいる/AP・聯合ニュース

 イスラエルとハマスの戦争が2カ月を超え、パレスチナのガザ地区の死者数が2万人に迫る中、生後17日の新生児がイスラエル軍の空爆による建物の倒壊で、2歳の兄と共に死亡した。

 20日(現地時間)付のAP通信の報道によると、19日未明、ガザ地区南部のラファにある3階建てのマンションがイスラエル軍の空爆で倒壊し、27人が死亡した。

 死亡者の中にはアル・アミラ・アイシャ、「アイシャ姫」という意味の女の子も含まれていた。アイシャちゃんは2日、電気供給が止まったラファのエミラティ病院で生まれた。産声を上げてから17日後にこの世を去ったのだ。2歳の兄もアイシャちゃんと共に命を落とした。辛うじて助かったアイシャちゃんの祖母スーザン・ジョアラブさんは震える声で「孫娘は2週間しか生きられなかった。まだ名前すら届けて出ていない」と語った。

19日(現地時間)、イスラエル軍の空爆で崩れ落ちたガザ地区南部ラファのある建物の周辺にパレスチナ住民が集まっている/ロイター・聯合ニュース

 イスラエル軍の空爆が行われた当時、ジョアラブさん一家はマンションの1階に集まって寝ていた。もともとは上の階に住んでいたが、1階の方がより安全だと判断したからだ。しかし、一家のうち少なくとも13人が今回の空爆で命を失った。スーザン・ジョアラブさんは「頭の上に家全体が崩れ落ちてきた」として、当時の急迫した状況を伝えた。

 AP通信は「21世紀に入って最も破壊的なイスラエルの猛攻で、ガザ地区の住民の80%以上である約190万人が学校や病院、路上などに避難したが、ジョアラブ家は戦前に住んでいた家に残った」と報じた。ガザ地区の保健省は、10月7日に始まった今回の戦争で、パレスチナで18日までに1万9453人が死亡したと発表した。AP通信は「ほとんどは2カ月半の間、ガザ地区を包囲し容赦なく爆撃を加えたイスラエル軍の空爆によって死亡した」とし、「爆撃はしばしば家族が家の中にいる状況で行われた」と報道した。

 アイシャちゃんの両親は、命は助かったものの負傷した。母親は顔にやけどと打撲傷を、父親は骨盤が骨折するけがをした。スーザン・ジョアラブさんは、子どもたちと両親が最後の挨拶を交わすことができるように、アイシャちゃんの父親が入院中の病院に死亡した2人の子供の遺体を運んだ。両親は白い布に包まれた子どもたちの遺体を胸に抱いて涙を流した。スーザン・ジョアラブさんも「孫たちを守れなかった。あっという間に孫たちを失った」と言いながら、号泣した。

 国連によると、18日基準でガザ地区にある36カ所の病院のうち28カ所が運営を停止しており、8カ所も部分的にのみ運営されている。世界保健機関(WHO)によると、このような惨禍の中で、約5万人のパレスチナ人女性が妊娠中だという。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1121193.html韓国語原文入力:2023-12-20 18:18
訳H.J

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