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プリゴジン氏は暗殺されたわけではない?…「犠牲者らの遺体から手榴弾の破片」

登録:2023-10-07 08:02 修正:2023-10-07 08:32
外部の衝撃の痕跡なし…事件の真相は依然として迷宮に
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が5日、ロシア南部ソチで開かれた国際ロシア専門家会「バルダイ・クラブ討論会」の本会議で発言している/タス・聯合ニュース

 ロシア傭兵集団「ワグネル」の首長エフゲニー・プリゴジン氏と幹部たちが疑惑の飛行機墜落事故で死亡した事件について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が犠牲者の遺体から手榴弾の破片が見つかったと述べた。プーチン大統領が自分に反旗を翻したプリゴジン氏の死亡がワグネルの内部人物の行動によるものである可能性を示唆したが、事件の真相は依然として謎に包まれている。

 プーチン大統領は5日、ロシア南部ソチで開かれた「バルダイ・クラブ討論会」で、プリゴジン氏の死亡事故調査について一部言及し、このように語った。AP通信が報じた。8月23日、モスクワ北西に170キロほど離れたトベリ州でプリゴジン氏とワグネルの幹部たちが搭乗した飛行機が墜落し、搭乗者10人が全員死亡する事件が起きた。プリゴジン氏は死亡2カ月前の6月23日、ロシア軍指導部を非難し、ワグネルの隊員たちを率いてロシア南部のロストフナドヌ州を掌握し、首都モスクワに進撃する「武装反乱」を起こした人物であり、飛行機墜落事故当時、ロシア当局が報復として彼を殺害したのではないかという疑惑がもちあがった。

 プーチン大統領は飛行機墜落事故の調査を担当する委員長の報告を受けたとし、「手榴弾の破片が墜落事故で死亡した人々の遺体から見つかった」と述べた。また、「専門家たちは飛行機が外部から衝撃を受けたという兆候を発見できなかったと報告しており、まだ調査が進められている」と語った。

 プーチン大統領はさらに、「残念ながら犠牲者の血液からアルコールや薬物使用を確認できる検査を(ロシア当局が)行っていない」とし、「しかし、我々はロシア連邦保安局(FSB)が(プリゴジン氏の自宅で)現金100億ルーブルだけでなく、コカイン5キロを見つけた事実を知っている」と述べた。FSBは、ワグネル反乱事件の翌月の7月にサンクトペテルブルクにあるプリゴジン氏の自宅を捜索した結果、自宅から現金束などが出てきたと発表した。

 プーチン大統領の発言は、ワグネル幹部たちの酒と薬物使用で、飛行機内部で手榴弾爆発事故が起きた可能性をほのめかす内容だ。

 しかし、プーチン大統領の発言をそのまま受け入れるには、同飛行機墜落事故には疑問が残る要素が依然として多い。プリゴジン氏は6月の武装反乱当時、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の仲裁で反乱を中止し処罰を受けることはなかったが、プーチン政権が後で報復に出る可能性があるという見通しが多かった。

 結局、反乱事件から2カ月後、プリゴジン氏は飛行機墜落事故で死亡しており、ロシアは独自調査を進めているが、まだ公式結果を発表していない。

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1111117.html韓国語原文入力:2023-10-06 14:59
訳H.J

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