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「ウクライナ、領土放棄の代わりにNATO加盟もありうる」NATO高官が提案

登録:2023-08-17 10:33 修正:2023-08-17 10:40
イェンセンNATO事務総長秘書室長、戦争解決策として提案 
「ウクライナが決めるものの、同盟国も戦後に関して論議すべき」 
ウクライナ、直ちに反発…NATOも「立場は変わっていない」
スティアン・イェンセンNATO事務総長秘書室長が15日、ノルウェーのアレンダルで開かれた討論会で「NATOにおけるウクライナの未来」について発言している=ノルウェー日刊紙「ベルデンスガング」ホームページより//ハンギョレ新聞社

 ウクライナがロシアに占領された領土を放棄する代わりにNATO(北大西洋条約機構)に加盟し、戦争を終わらせるべきだという主張が、NATO側から発せられた。

 ノルウェーの日刊紙ベルデンスガングなどが報じたところによると、NATO事務総長秘書室長のスティアン・イェンセン氏は15日、ノルウェーのアレンダルで開かれた討論会「NATOにおけるウクライナの未来」で、ウクライナ戦争と関連して「解決策の一つとして、ウクライナが領土を放棄し、その見返りにNATO加盟国の資格を得るということもありうる」と述べた。イェンセン氏は、どんな和平案もウクライナが受け入れられるものでなければならないが、NATO加盟国は18カ月にもなるこの戦争をどうやって終わらせることができるかを討論しているとして、このように述べた。

 ウクライナ戦争でウクライナに対する積極的な支援を主導するイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長の最側近である秘書室長のこのような発言は、NATO内でもロシアが占領した領土をウクライナが回復する可能性が少ないという現実を認め、妥協すべきだという議論が進んでいることを示すものと受け取れる。

 イェンセン氏はこの日の討論会で「いつ、どんな条件で交渉を望むかを決めるのはウクライナにかかっている」ということを前提にしつつも、戦争が終わる時にウクライナがどのような安全保障状況にあるのかに対する考えは持たなければならないと述べた。また「我々がこのようなことを通じて我々の道を討論することが重要だ」とし、ウクライナの戦後の地位についての討論が外交界で続いていることも付け加えた。

 ウクライナは直ちに反発した。英日刊紙のガーディアンによると、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領補佐官は「領土とNATO加盟を交換する? 笑わせる話だ」として「これは意図的に民主主義の敗北を選び、世界的な犯罪をあおり、ロシアの政権を保存し、国際法を破壊し、戦争を他の世代に渡すことだ」と激しく非難した。ポドリャク補佐官は「もしプーチンが壊滅的な敗北を喫しなければ、ロシアの政治体制は変わらず、戦犯たちは処罰されず、この戦争はロシアがより多くの戦争を望む結果を無限に生むだろう」と述べた。

 NATOもイェンセン氏の発言がもたらした論議の火消しにあたった。NATOのスポークスマンは「我々はウクライナが必要とする限り支援を継続し、公正かつ永続的な平和を達成すると誓う」とし「NATOの立場は明確で変わっていない」と述べた。

 しかし、イェンセン氏は「占領地放棄とウクライナのNATO加盟の交換はNATOの見解か」というメディアの質問に対し、戦争後の可能な地位についての議論はすでに進んでおり、ロシアに領土を渡す問題は他の人々によって提起されたものだと述べた。同氏は「私はそのようにならなければならないと言っているのではない」とし、「だが、一つの解決策にはなりうる」と再度述べた。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1104583.html韓国語原文入力:2023-08-17 09:55
訳C.M

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