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ゼレンスキー大統領「反転攻勢、期待より遅いが…これは映画ではない」

登録:2023-06-23 06:03 修正:2023-06-23 07:00
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領//AP・聯合ニュース

 今月初めに始まったウクライナの「反転攻勢」が停滞しているという趣旨のウクライナ大統領の発言が出た。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日(現地時間)、ロシア軍に対抗するウクライナ軍の反転攻勢が「期待よりは遅い」と英国BBCのインタビューで明らかにした。ただし、ゼレンスキー大統領は、ウクライナが反転攻勢の速度を上げなければならないという圧力は感じていないとして、「一部の人は、これ(戦争)をハリウッド映画のように思い、今すぐの結果を期待しているが、これは映画ではない」と述べた。「重要なのは人々の命」だとも強調した。

 ロシア軍がウクライナの占領地内の20万平方キロメートルに及ぶ地域に埋設した地雷などが、ウクライナ軍の反転攻勢を難しくさせているとみられる。ウクライナ軍は今月初めに反転攻勢を開始した後、8カ所を奪還したと主張しているが、過去1週間の範囲では1カ所の村を回復したという発表のみなど、成果は芳しくない。

 ただし、ゼレンスキー大統領はこの日の演説で、ウクライナ軍の反転攻勢は成功していると強調した。ウクライナ軍が南部地域に進撃し、東部地域の防衛線を構築しており、特に北東部のクピャンスク地区ではロシア軍の攻勢を防ぎ「敵を破壊している」と述べた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が21日(現地時間)、ロシア・モスクワの大統領府でテレビ会議を行っている/AFP・聯合ニュース

 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの日、国営放送のインタビューで、ウクライナの反転攻勢が「静かになった」と述べ、特にウクライナ軍が南部地域で大きな損失を被った主張した。ロイター通信などが報じた。プーチン大統領の発言は、ゼレンスキー大統領の反転攻勢に関する発言の後になされた。

 プーチン大統領は「不思議なことに、現在私たちは(ウクライナ軍の反転攻勢が)静かになったのを見ている」としたうえで、「敵の兵力と装備のいずれもが深刻な損失を被っているためだ」と述べた。プーチン大統領は、ウクライナの反撃能力は「まだすべてが消耗したわけではない。敵軍が資源をどこでどのように使うのかを考えている」と述べた。

 プーチン大統領はこの日、士官学校の卒業生を対象にした演説で、ロシアの次世代大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」が「近い将来に」配備されるだろうと予告し、核戦争能力を増強する意向を強調した。サルマトは、10個以上の核弾頭を装着可能で射程距離が9656キロメートルに達するICBMであり、米国のミサイル防衛(MD)を無力化できることで知られている。プーチン大統領は「すでに戦略ミサイル部隊および編隊の半分が、射程距離が1万1000キロメートル以上のICBMである最新の『ヤルス』システムを備えており、部隊は極超音速弾頭『アバンガルド』を装着した最新のミサイルシステムをふたたび備えた」と述べた。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1097091.html韓国語原文入力:2023-06-22 17:06
訳M.S

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