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ロシアとウクライナ、アフリカ7カ国の仲裁案を拒否

登録:2023-06-20 06:32 修正:2023-06-20 07:31
「先に撤退」主張するウクライナに、ロシア「占領地を認めよ」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が17日(現地時間)、アフリカ仲裁団の一員としてロシアのサンクトペテルブルクを訪問した南アフリカ共和国のシリル・ラマポ―ザ大統領と握手している=サンクトペテルブルク/RIAノーボスチ・ロイター・聯合ニュース

 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領などアフリカ7カ国の指導者たちが、ウクライナとロシアの首脳に相次いで会って対話を通じた戦争中止を求めたが、両国とも交渉を拒否した。

 アフリカ諸国の指導者たちは17日(現地時間)、ロシアのサンクトペテルブルクでウラジーミル・プーチン大統領と会談し、ウクライナとの戦争中止を求めた。ロイター通信などが報じた。彼らは16日にウクライナのキーウでウォロディミル・ゼレンスキー大統領とも会い、戦争中止に向けた交渉を求めた。

 ラマポーザ大統領はプーチン大統領との会談で、「この戦争を永遠に続けるわけにはいかない。どんな戦争でも解決されなければならず、ある時点で終わらせなければならない」とし、「我々はこのメッセージを明確に伝えるためにここに来た」と述べた。

 アフリカ諸国は南アフリカ共和国のほかにセネガル、エジプト、ザンビア、ウガンダ、コンゴ、コモロの7カ国の指導者で平和仲裁団を構成し、10項目の仲裁案を示した。仲裁案は戦争の解決、交渉を通じた平和の回復、対立の緩和、国連憲章に合致する主権尊重、すべての国の安全保障、子どもたちと戦争捕虜の相互交換、戦争被害者に対する人道支援など。

 プーチン大統領は「ロシアは対話を拒否したことがない」とし、「公正性の原則に基づき当事者の正当な利益を認めながら平和を構築しようとするものなら、誰とでも建設的な対話をする可能性を残している」と述べた。また、「対話を拒否するのはウクライナの方だ」とし、「いかなる平和も新たな現実を考慮しなければならない」と主張した。プーチン大統領のいう「新たな現実」とは、ロシアが昨年9月末、ウクライナ東部ドンバスの2つの州と南部のヘルソンとザポリージャ州を自国領土に併合したことを意味する。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、アフリカ諸国の提案における主なアプローチを自国も共有していると述べたが、クレムリン(大統領府)報道官は、アフリカ諸国の提案を実現するのは非常に難しいという反応を示した。ただし「プーチン大統領が彼らの提案を検討することに興味を示した」と付け加えた。

 ゼレンスキー大統領は前日、キーウでアフリカの指導者たちに会い、平和交渉のためにはロシア軍が占領地から撤退しなければならないと主張した。ゼレンスキー大統領は「占領軍が私たちの土地に留まっている状態でロシアと交渉をするのは、戦争を固着させ苦痛と苦しみなどすべてを固着させること」だと述べた。両国が占領地問題に対して一歩も引かない立場を繰り返し表明したことで、この戦争で経済・食糧危機に苦しんでいるアフリカの仲裁努力が成果をあげるのは難しくなった。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1096392.html韓国語原文入力:2023-06-19 02:32
訳H.J

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