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台北に到着したペロシ米下院議長「台湾の人々と連帯」…第4次台湾危機を触発か

登録:2022-08-03 10:35 修正:2022-08-03 11:27
到着直後「台湾の民主主義を支持」 
昨夜マレーシア経由で到着 
3日、蔡英文総統と会談
ナンシー・ペロシ米下院議長(右から4番目)が今月2日夜(現地時間)、台湾の台北松山空港に到着し、記念写真を撮っている=台湾外交部提供/AFP・聯合ニュース

 ナンシー・ペロシ米下院議長を乗せた航空機が2日夜、台湾に到着した。米国の権力序列3位のペロシ議長は、1997年のニュート・ギングリッチ下院議長訪問以来、25年ぶりに台湾を訪れた最高位級の米国政治家となる。中国の度重なる警告にもペロシ議長が自分の意思を曲げなかったことで、台湾海峡を挟んで米中が激しく軍事的に対立する「第4次台湾海峡危機」を懸念する声が高まっている。

 台湾の放送「TVBS」の報道によれば、この日ペロシ議長を乗せた米空軍航空機「C-40C」は午後10時44分(現地時間)、台北松山空港に到着した。ペロシ議長一行は10時51分頃、滑走路に降り、台湾の人々の出迎えを受けた。ペロシ議長は到着直後に発表した声明で、「わが議会代表団の台湾訪問は、台湾の活気に満ちた民主主義を支持するという米国の確固たる意志を示すためのもの」だとし、「世界が権威主義と民主主義の間の選択に直面しているこんにち、米国と2300万人の台湾人の連帯は、いつにも増して重要だ」と述べた。

 ペロシ議長を乗せた航空機は、同日午後3時42分にマレーシアの首都クアラルンプールから離陸し、台湾に向かった。航空機の航路追跡ホームページ「フライトレーダー24」によると、同航空機は中国軍の威嚇飛行を避けるかのように、最短距離である南シナ海を横切らず、インドネシア領空であるバリ島側に東進し、フィリピン領空から台湾のある北側に機首を向けた。

2日夜、ナンシー・ペロシ米下院議長を乗せた米軍の飛行機が台湾の台北松山空港への着陸を準備している=台北/AFP・聯合ニュース

 ペロシ議長は1日、シンガポールからアジア歴訪を開始した後、2日にマレーシア訪問を経て、同日夜、台湾に到着した。台湾メディア「チャイナタイムズ」はこの日午前、「ペロシ議長が同日、台北で一晩を過ごす。3日午前8時、蔡英文台湾総統に会い、午後に台湾を発つ」と報じた。台湾のマスコミは、ペロシ議長が蔡総統と昼食を共にした後、ウーアルカイシ氏など1989年の天安門事件の学生運動指導者らと面会すると報じている。

 ペロシ議長はこの日大きな問題なく台湾に到着したが、米中間の一触即発の危機は続くものとみられる。中国当局は重ねて強力な対応の意志を明らかにした。中国外務省の華春瑩報道官は、同日午後の定例ブリーフィングで、「中国の立場と態度は明確だ。決然として強力な措置を取り、主権と安保利益を守る」と述べた。中国軍はすでに直接行動に突入した。先月30日、台湾海峡で実射撃訓練を行い、2日から6日深夜まで南シナ海4海域とその接続水域での軍事訓練に突入した。

 正確な全貌は分からないが、ペロシ議長が到着する過程でも米中間の熾烈な攻防があったものとみられる。中国官営メディアは同日夜、人民解放軍のSu-35戦闘機が台湾海峡を横断したと報道し、日本のNHKも同日夜、沖縄の嘉手納米軍基地に配備されている米空軍F15戦闘機8機などが相次いで離陸したと伝えた。これに先立ち、米国のABCなどは、空母ロナルド・レーガンの船団が台湾に近いフィリピン海に配置され、万一の事態に備えており、強襲揚陸艦であるトリポリ艦・アメリカ艦なども台湾海峡付近に移動したと報じた。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1053304.html韓国語原文入力:2022-08-03 09:30
訳C.M

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