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ロシア、マリウポリに「人道回廊」設け降伏を要求…住民らは拒否

登録:2022-04-21 06:44 修正:2022-04-21 07:01
「ウクライナ軍は自ら武器を降ろせ」 
マリウポリの住民ら「ロシア側には行かない」
ロシアが包囲しているウクライナ東南部の港町マリウポリの住宅街。今月19日(現地時間)に燃えたバスが見える/ロイター・聯合ニュース

 ウクライナ軍が苦しい抗戦を繰り広げているマリウポリで、ロシアが人道回廊を設けたとして、ウクライナに降伏を要求した。しかし、現地のウクライナ住民たちはこれを拒否した。

 ロシア国防省は19日、「マリウポリのアゾフスタリ製鉄所で発生した災害的状況と純粋な人道主義原則に基づき、19日午後2時(モスクワ時間、韓国19日夜10時)、人道回廊を設置した」と発表した。ロシア国防省は「この回廊は自発的に武器を下ろしたウクライナ軍人と民族主義組織戦闘員たちのための脱出ルート」だと述べた。

 ロシアは「このために『休戦モード』が始まり、敵対行為が止まった」とし、ウクライナ軍に降伏を要求した。ロシア国防省は「ウクライナの部隊がそのような命令(降伏)を(首都)キーウ(キエフ)の当局から受けることはないとみられるため、我々は彼らが自らの判断で武器を下ろすことを求める」と述べた。

 ロシア国防省は「アゾフスタリ製鉄所周辺に西、東、北の3方向にそれぞれ30台ずつのバスと10台ずつの救急車で構成された護送隊列を用意した」とし、武器を降ろした人たちの命を保障し、ジュネーブ条約に基づき、捕虜として待遇すると発表した。

 ロシアのこのような呼びかけには、マリウポリに残っている民間人の脱出だけでなく、抵抗中のウクライナ軍の自発的降伏を誘導する狙いがあるとみられる。

  しかし、マリウポリの住民たちはロシア軍の降伏要求を拒否した。現地のミハイロ・ベルシニン警察局長は、「アゾフスタリ製鉄所に残っている人たちはドネツク人民共和国(DPR)ではなくウクライナに向かうことを望んでいる」とし、「民間人の安全が保障されなければならない」と述べたと、CNNが報じた。ロシアが設けた人道回廊はロシアまたは親ロシア地域につながっており、ウクライナの民間人は受け入れ難いと強調したのだ。同氏は「(マリウポリから)脱出を望む民間人はすでに出発しており、今残っている人々はロシアには行かないだろう」とし、「だから我々はウクライナに向かう人道回廊の設置を要求している」と述べた。

 ベルシニン局長は「ロシアはこれまで脱出ルートや人道回廊の話を1000回はしてきた。誰も彼らに同意しないだろう」と述べた。

 港町のマリウポリは、ロシアが2014年にウクライナから強制合併したクリミア半島と、親ロシア分離主義武装勢力が掌握している東部のドンバス地域を結ぶ戦略的要衝地だ。ロシアは最近、ここに対する攻勢を強化し、包囲されたウクライナ軍はアゾフスタリ製鉄所を最後の拠点として抗戦している。ここには女性や子どもなど民間人1000人余りも避難しているという。ウクライナ軍アゾフ大隊のデニス・プロコペンコ司令官はツイッターに、ロシア側が地下施設の打撃に使われるバンカーバスターなどあらゆる爆弾を動員し、民間人まで狙っていると主張した。

ファン・ジュンボム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1039631.html韓国語原文入力:2022-04-2013:42
訳H.J

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