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「ロシアの少数民族兵士、特に多くの犠牲者」

登録:2022-04-01 01:20 修正:2022-04-01 10:38
辺境出身者は特に危険な戦場に 
「白人兵士を送らない場所に派遣」 
公式な死者の20%が3つの辺境出身者 
モンゴル近隣のブリヤート族、反戦の声
ウクライナに投入されているロシア軍では、特に少数民族の兵士が多く犠牲になっているという指摘が出ている。キエフの近くで死亡したロシア兵が放置されている=キエフ/ロイター・聯合ニュース

 希望の見えないロシアの辺境を脱するために軍に入隊し、ウクライナ侵攻に動員された少数民族の青年たちが相次いで遺体となって故郷に帰ってきている。

 英国の日刊紙「ガーディアン」の30日の報道によると、シベリアの端のモンゴル国境に接するブリヤート共和国の首都ウラン・ウデで3月28日(現地時間)、ウクライナで戦死した4人の兵士の葬儀が仏教の比丘尼たちの取り仕切る中で行われた。戦死者の1人、ブラト・オドエフさんは軍生活10年目の軍人で、3月15日に故郷から6400キロ離れたウクライナのキエフ(現地読みキーウ)付近で死亡した。兄の妻のオルガさんは「彼は仲間の期待に応えようとして参戦した。私たち家族の(戦争についての)考えは政府当局とは異なるが、私たちには何もできない」と語った。そして「私たちは混乱している。この流血事態は終わらせるべきだ。私たちの青年たちが死んでいっている」と嘆いた。

 ブリヤート共和国は、モンゴル系のブリヤート族が全人口の40%ほどを占めるロシアの辺境中の辺境だ。住民たちの月平均給与は4万4000ルーブル(約6万4千円)に過ぎない。このような貧困から脱するために、多くの若者が軍への入隊を選択している。

 ブリヤートの地域メディア「ルディ・バイカラー」は、ブリヤート出身の戦死者はこれまでに45人確認されているとしつつ、実際の戦死者はこれよりはるかに多いだろうと伝えた。近隣のトゥバ共和国出身の兵士もこれまでに96人が死亡しており、カスピ海に接する山岳地域ダゲスタン共和国からも少なくとも130人の戦死者が出ているとガーディアンは伝えた。これら3つの共和国出身の271人の戦死者は、ロシア政府が公式発表している1351人の戦死者の20%にのぼる。人口を考えれば、この高い割合はアンバランスだ。

 ロシアの軍事専門家パベル・ルージン氏は「ブリヤート共和国のような貧しい『少数民族』出身の兵士に戦死者が多いということが、ますます明らかになりつつある」と指摘した。そして、階級の低い兵士は主に少数民族出身者が占めていると語った。ルージン氏は「不幸にも、普通のロシア人はモスクワやサンクトペテルブルク出身の青い目の兵士が死んだ時と比べると、ブリヤートやダゲスタン出身の兵士の戦死はあまり気にとめない」と指摘した。軍事作戦を企画する幹部たちもこれを知っているため、他の兵士を送らない場所に少数民族の兵士を送ると同氏は付け加えた。

 兵士の犠牲が相次いでいることで、ブリヤート族の間からは反戦の声もあがっている。ブリヤート出身のビャチェスラフ・マルハエフ国家ドゥーマ(議会)議員は、ウラジーミル・プーチン大統領が「最も近い我々の隣人と全面戦争するという計画を隠した」としてウクライナ侵攻を批判した。外国に居住するブリヤート人たちも「戦争に反対するブリヤート人」という反戦キャンペーンを繰り広げている。だが、ブリヤート現地は恐怖と戦争支持が交錯する中、表向きは平穏を保っているとガーディアンは伝えた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1036986.html韓国語原文入力:2022-03-31 13:29
訳D.K

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