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米、「キエフ作戦大幅削減」信じず…「ロシアの主張にだまされてはならない」

登録:2022-03-31 07:46 修正:2022-03-31 09:55
バイデン大統領「直接見るまではわからない」 
米国防総省「再配置であり、本当の撤収ではない」 
米欧州司令官の「重大な戦略転換」とする説明とは異なる 
ウクライナ「ロシア軍、1万7000人損失」主張 
ホワイトハウス副補佐官とロシア外相、インドを相次ぎ訪問 
「中立」のインドを引き込もうと米ロが競争
米国のジョー・バイデン大統領が29日、ホワイトハウスを訪問したシンガポールのリー・シェンロン首相とともに記者会見をしている=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 ウクライナと和平交渉を進行中のロシアが、キエフ(現地読みキーウ)とチェルニヒウ地域で軍事活動を大幅に減らすと述べたことについて、ホワイトハウスと米国防総省が「だまされてはならない」とし、偽装戦略である可能性を提起した。

 ホワイトハウスのケイト・ベディングフィールド広報部長は29日(現地時間)、ホワイトハウスの記者団に対し、ロシアの発表に「だまされてはならない」と述べたと、 PBS放送が報道した。ジョー・バイデン大統領はこれに先立ち、シンガポールのリー・シェンロン首相との会談での記者の質問に、「彼らの行動を直接見るまではわからない」とし、「見守ろう」という態度を示した。

 米国防総省のジョン・カービー報道官も会見で「我々はだまされてはならず、いかなる人も、急にキエフ周辺での攻撃を減らすというクレムリンの主張や、ロシアがすべての兵力を撤収させるという報道を持ってきて我々をだましてもならない」と述べた。同報道官は、小規模なロシア軍兵力がキエフ地域を離れたが、再配置の水準とみられるとして、「本当の撤収ではない」と主張した。また、キエフへの空襲が続いているとして、「ロシア軍は今もなおキエフを含めウクライナに蛮行を犯すことができる」と述べた。

 しかし、ホワイトハウスと国防総省のこのような警告は、この日に上院軍事委員会の聴聞会に出席したトッド・ウォルターズ米軍欧州司令官兼NATO連合軍司令官の発言とは異なる。ウォルターズ司令官は、ロシアが「重大な戦略転換」の一環としてキエフ周辺から兵力を引き上げていると説明した。

 ロシアの「戦略転換」の背景として議論されている損失の規模について、ウクライナ側はこの日、一般的な観測をはるかに超える主張を出した。ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は、ロシア軍が兵力1万7000人、装甲車1700台、戦車600両、大砲300門、軍用機127機、ヘリ129機、約100台のロケット発射台、54台の防空システムを失ったとし、「ロシアの非武装化は十分に進められている」と明らかにした。また、「これに比べれば、ソ連がアフガニスタンで受けた損失は大したものではない」と述べた。

 一方、ホワイトハウスはロシアに対する対応を論議するため、ダリープ・シン副補佐官(国家安全保障担当)が30日から2日間インドを訪問すると明らかにした。シン副補佐官の訪問は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が31日から2日間インドを訪問する予定だと伝えられた中で発表された。インドをめぐり、米国とロシアが角逐する姿が演出されるものとみられる。

 インドは、米国・日本・オーストラリアとともに中国牽制のための会議体制である「クアッド」(Quad)の構成国家でありながら、ロシアのウクライナ侵攻に対しては「中立」を固守している。伝統的に中国を牽制するためにロシアとも密着してきたインドは、国連緊急特別総会で141カ国がロシア非難決議をした際にも棄権した。バイデン大統領はこのような状況について、「インドはやや揺れている」とし、遺憾を示したことがある。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、インドがロシア産原油の輸入を増やすことは米国の制裁に抵触しないと述べながらも、「(インドの指導者は)歴史書が書かれる際に、どの立場に立つことになるのかを考えるべきだ」とし、比較的強い不満を示した。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1036807.html韓国語原文入力:2022-03-30 13:28
訳M.S

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