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ゼレンスキー大統領「ウクライナ中立化を論議する用意」

登録:2022-03-29 06:12 修正:2022-03-29 07:03
ロシアのメディアとのインタビューで明らかに 
「第三者の保障と国民投票が必要な事案」 
東部ドンバス問題も妥協の可能性を示唆 
安全保障、非核保有国の地位も主要な懸案 
両国、28日以降に5回目の交渉を行うことに
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が27日(現地時間)、ロシアのジャーナリストのテレビ電話形式でのインタビューを受けている=キエフ/AP・聯合ニュース

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が27日(現地時間)、ウクライナの中立国化の問題について論議する用意があり、東部紛争地域のドンバス問題も妥協する用意があると明らかにした。ゼレンスキー大統領がこれまで強硬に拒否していた「領土問題」について微妙な立場を示し、トルコでまもなく開かれる5回目の停戦協議で最終合意を引き出すための突破口が用意されるかに関心が集まっている。

 ゼレンスキー大統領はこの日、ロシアのジャーナリストと90分間にわたるテレビ電話形式でのインタビューを通じて、ロシアと「安全保障、中立国化、非核保有国の地位の問題を議論する準備ができている。これは最も重要な交渉地点」だと述べ、ウクライナ政府がこれを慎重に検討していることを明らかにしたと、AFP通信などが報道した。さらに、中立化とそれにともなう安全保障問題は第三者によって保障されなければならず、国民投票を通じて決定される事案だと付け加えた。

 ゼレンスキー大統領はさらに、2014年以降、親ロシア派反乱軍が一部地域を掌握しているドンバス問題についても妥協する意向があることを明らかにした。ただし、具体的な妥協内容については言及しなかった。しかし、この日夜の国民に向けてのテレビ演説では、交渉過程で「領土保全」を強く主張すると明らかにしたと、ロイター通信が報道した。これは、ドンバスに関して妥協する意向があるという発言が、領土問題に対する譲歩を意味するものと解釈される余地を遮断するためとみられる。

 ゼレンスキー大統領は、これに先立つ21日、ウクライナの公共放送のインタビューで、ロシアと進行中の停戦協議について、「安全保障に関する内容になれば、憲法改正と法律改正について話をしなければならない。(この問題は)いかなる場合も、大統領一人で決めることはできない。議会とウクライナ国民によって決められる長い過程を経ることになるだろう」とし、結局は「国民投票になるはずだ」と述べたことがある。ロシアは2014年3月、ウクライナ領土だったクリミア半島を強制併合し、その直後、親ロシア派反乱軍は、ウクライナ東部のドンバス地域の一部を占領した。これに反発したウクライナは、西欧的な改革路線を強化し、2019年に北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)への加盟計画を明示する方向に憲法を改正している。ウクライナがロシアと停戦協議を結ぶのであれば、国家の興亡を決める「安全保障問題」やクリミア半島とドンバス地域を包括する「領土問題」で、負担の重い妥協をしなければならない。これは高度で敏感な問題であるため、国民全体の「総意」を問う国民投票を通さざるを得ないというのがゼレンスキー大統領の立場だ。

 ゼレンスキー大統領は、ロシアのもう一つの要求事項である非武装化については、拒否の立場を明確にした。しかし、ロシアが占領した地域を取り戻そうとする試みも排除し、そのような試みをすれば第3次世界大戦が起きるだろうと述べた。ゼレンスキー大統領はこの日、ロシア軍に包囲されている南東部の都市マリウポリの状況について、多くの時間を割いて発言し、「都市に出入りできるすべての通路が封鎖され、人道主義的な災害がもたらされている。ロシア軍がこれまでにこのような形で対応した事例は聞いたことがない」と指摘した。

 一方、トルコは27日に声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がこの日、ウラジーミル・プーチン大統領との電話会談を通じて、ウクライナと対話を再開することに合意したと明らかにした。ウクライナ交渉代表団に参加しているダビッド・アラハミヤ与党代表はSNSを通じて、28~30日にトルコで対面交渉が行われるだろうと伝えた。一方、ロシア側は、交渉は29日から行われると明らかにした。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1036476.html韓国語原文入力:2022-03-29 02:30
訳M.S

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