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ロシア軍将官の戦死すでに7人…なぜ多い

登録:2022-03-28 03:15 修正:2022-03-28 07:41
わずか1カ月で…「非常に異例」
ロシア軍の装甲車が26日、ウクライナのボルノバカ市街を通り過ぎている=ボルノバカ/EPA・聯合ニュース

 ロシア軍はウクライナ侵攻以降、7人の将官を失った。開戦からわずか4週間で前例のない数の将官の戦死記録だ。

 ウクライナ国防省は26日、ロシア第49連合軍の司令官ヤコフ・レザンツェフ中将がウクライナ南部の都市ヘルソン付近の戦闘で死亡したことを明らかにした。ロシア軍はウクライナの発表に何ら反応していない。ウクライナの発表が事実なら、レザンツェフ中将は先月24日のウクライナ侵攻後にロシア軍が失った最高位の人物であり、7人目の将官となる。

 わずか1カ月でこれほど多くのロシア軍将官が戦死したのは、第2次世界大戦以降に旧ソ連やロシアが行ったチェチェン戦争、アフガン戦争、ジョージア戦争などでも前例がないと「ワシントン・ポスト」は報じた。西側の当局者はこれついて「非常に異例」と述べた。

 通常、戦争において将官などの指揮官に対する狙撃は合法的な戦術だ。ウクライナ軍も、火力を前線の指揮統制単位に集中し、ロシア軍の進撃を遅らせる戦術をとっていると明かしている。ウクライナのオレクシー・アレストビッチ軍事担当大統領補佐官は、ウクライナ軍はロシア軍の前線指揮部に対し「斬首作戦」を駆使しているとし、指揮部を崩せば新たな指揮官が任命されてくるまで「3~4日あるいは5日」はロシア軍の進撃を遅らせることができると述べた。

 一部の専門家は、ロシア軍の通信上のセキュリティに問題が生じているため、指揮官がウクライナ軍の狙撃に無防備にさらされていると判断している。実際にロシア軍は、セキュリティ処理のなされていない通信を用いることもあるという。一部では、ロシアの将兵が携帯電話を使っているのも目撃されている。

 戦争研究所のロシア軍の専門家であるメイサン・クラーク氏は、ロシア軍同士の無線通信は盗聴と通信位置の発覚に対して脆弱なようだと語った。同氏は、ウクライナ軍はドンバス地域の分離主義者との戦闘において、通信を利用して砲兵火力の発射位置を見つけ出して攻撃する方法を学んだとし、「今回はその時の教訓を生かしているようだ」と述べた。

 ロシアの将官が士気の低下した兵士を激励するために戦線に接近することも、多くの戦死者を生んだ要因だとの分析も示されている。実際にロシア軍は士気が非常に低下しており、現場指揮官に対する不信も強いという。第37機動小銃旅団は部隊員の半数近くを失い、一部の部隊員が指揮官であるユーリ・メドベージェフ中佐を戦車でひいて負傷させたという。

 一方、NATO(北大西洋条約機構)は先週初めにロシア軍の戦死者数を1万5000人と集計したが、ロシアは25日にわずか1351人と発表している。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1036385.html韓国語原文入力:2022-03-27 12:19
訳D.K

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