本文に移動

[インタビュー]「尹錫悦氏、韓日高官級チャンネルを稼動させ対話ムードづくりを」

登録:2022-03-11 00:48 修正:2022-03-11 05:46
西野純也・慶応大学教授 
「引き継ぎ委員会の時期が非常に重要、首脳会談につながるようにすべき」 
「政治経験のない尹錫悦氏、関係改善の実現は未知数」
西野順也・慶応大学教授=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 「韓日間に高官級チャンネルを稼動させ、首脳会談までつながるムードをつくることがまず必要だ」

 慶応大学の西野純也教授(政治学・東アジア研究所現代韓国研究センター長)は、韓国大統領に尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が当選したことに関連して、10日の本紙の電話インタビューで「韓日関係において大統領職引き継ぎ委員会の期間が非常に重要な時期」だとし、「尹氏は岸田政権と対話のチャンネルを作るべき」と話した。

-尹錫悦候補が当選した。韓日関係をどう展望するか。

 「尹氏は選挙期間中、数回にわたって韓日関係の改善を強調してきた。積極的に乗り出すものと予想する。ただ、尹錫悦政権が実際に韓日関係を改善できるかは未知数だ。韓日関係は政治力と指導者のリーダーシップが非常に重要だが、尹氏には政治経験がない。巨大野党(民主党)、国民の党との合併など、政治環境も厳しいうえ、韓日の懸案も容易ではない事案だ。急がれる争点である強制動員被害者関連の問題をとってもそうだ。韓国で最も多く取り上げられる『代位弁済』(韓国政府が代わりに被害者に賠償をし求償権を持つ方式)は予算と関係があるだけに、民主党など国会を説得し、世論の支持とともに被害者の同意が必要だ。尹氏の政治力はどうなのか、もう少し見守らなければならない」

-韓日首脳会談など問題解決のための対話ムードづくりが必要と思われるが。

 「懸案がそのまま残っているのに、韓日首脳がすぐに会うのは難しいのではないか。尹氏側は高官級チャンネルを稼動させて岸田政権と対話のルートを作ることが重要だ。緊密にコミュニケーションを取りながら首脳会談ができるムードづくりが優先的に行われなければならない。今後の韓日関係において、大統領職引き継ぎ委員会の期間は非常に重要な時期だ」

-韓日関係改善のために何が必要だと考えるか。

 「尹氏の立場では岸田政権と疎通を始めることが最も重要だ。それが第一ボタンにならなければならない。このような尹氏の努力に日本政府は柔軟な態度を示さなければならない。今年7月の参院選など政治日程があり、日本政府の立場がすぐに変わることは容易ではない。しかし、柔軟性を発揮して緊密に対話できる雰囲気を作れば、関係改善の第一歩を踏み出せるだろう」

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1034319.html韓国語原文入力:2022-03-10 14:33
訳C.M

関連記事