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中国はいかにして「オリンピックブルー」を作り上げたのか

登録:2022-02-04 06:34 修正:2022-02-04 07:26
国際イベント開催の度に大気質を改善 
コロナ禍で改善されたが、さらなる努力 
爆竹禁止には「やりすぎ」との反対意見も
北京冬季五輪に出場するあるスノーボード選手が今月3日、練習滑降をしている。背景に見える中国の青空が印象的だ=張家口/ロイター・聯合ニュース

 北京冬季五輪開幕を翌日に控えた3日、普段悪名高い北京市内の空気は「良好」な状態を維持している。中国政府が行政力を動員して旧正月の連休中に伝統的な風習の爆竹を禁止し、汚染を誘発する一部工場と車両の運行を減らしたためだ。

 中国気象庁が同日に測定した北京の粒子状物質の濃度は、午前8時現在、直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質(PM2.5)が8、直径10マイクロメートル以下の粒子状物質(PM10)が13で、非常に良好だった。同時刻、ソウルの粒子状物質の濃度は、PM2.5が21、PM10が15だった。

 中国政府は2014年のアジア太平洋経済協力(APEC)会議など、自国で主な国際行事が開かれる度に、煤煙を吐き出す工場などの稼働を止め、大気状態を良好に保ってきた。海外メディアはこれをAPECブルーなど「○○ブルー」と呼んできた。2008年に続き14年ぶりにオリンピックを開催する中国は冬と初春、特に中国北東部地域で深刻にみられる大気汚染の原因を取り除き、「オリンピックブルー」作りに力を入れている。

 2020年初めの新型コロナウイルス感染症の大流行で経済活動が萎縮し、大気の質がかなり改善したが、中国政府は五輪を控え、いくつかの追加措置を取った。まず、先月末に始まった旧正月の連休である春節に大気汚染を誘発する爆竹の使用を厳しく禁止した。中国では旧正月に厄払いをするという意味で大きな音の出る爆竹を鳴らす風習があるが、これを禁止したのだ。

 これを受け、旧正月の前日の夜と当日の未明、北京全域の粒子状物質の濃度はPM2.5基準「5」で、非常に良好だった。前年度の同時期の北京の粒子状物質の濃度(PM2.5)は289だった。「新京報」は「PM2.5濃度が調査開始以来、(旧暦の)大晦日基準で最も良好な状態だった」と報じた。

 五輪開幕に合わせて、一部工場の稼動と車両の運行も止めた。中国生態環境部は先月末、五輪期間中に大気の質を改善するため、汚染源の排出が多く、運営を止めても経済に及ぼす影響が少ない企業を対象に、期限付きで稼動を統制し、車の運行も減らす措置を取った。生態環境部の劉友賓報道官は「北京や河北省などは人民代表大会の立法を経て、地方政府が法規に従い、必要な行政措置を取るよう承認した」と述べた。北京と河北省は今回の冬季五輪が開かれる地域だ。

 空に向かって小さなロケットを打ち上げることで人工的に雪を降らせる人工降雪も、粒子状物質の低減に役立った。中国当局は、今回の五輪を控え、スキー競技などが行われる河北省の張家口などで人工降雪を数回実施した。人工降雪を行うと、雪の塊が大気汚染物質を包み込むため、大気の質を改善する効果もある。

 中国市民は空気の質が良くなったことに満足しながらも、爆竹を禁止した措置に対しては不満を露にした。中国吉林省に住むある市民は「お正月気分が盛り上がらない」とし、「爆竹を鳴らすのは伝統なのに、それを禁止するのはやりすぎだ」と話した。中国のオンライン・ショッピングモールなどでは「デジタル爆竹」が登場した。実際火薬に火をつけることなく、光と音だけで爆竹の効果を出すものだ。

北京/チェ・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sportstemp/1029593.html韓国語原文入力:2022-02-04 02:33
訳H.J

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