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火山灰に覆われていたトンガの滑走路に降り立った軍用機…救援品輸送作戦の第一歩

登録:2022-01-21 06:11 修正:2022-01-21 07:27
5~10センチの火山灰を必死で取り除き、ニュージーランド軍の輸送機が着陸 
通信一部復旧…飲み水の汚染でコレラなどの水因性伝染病の懸念も
EUのトンガ総領事館が今月19日、首都ヌクアロファの状況だとして掲載した写真。椰子の木が立ち並ぶ海辺が灰色に変わっている=ツイッターより//ハンギョレ新聞社

 海底火山の噴火という「前例のない災害」に見舞われた南太平洋の島国トンガに対する国際社会の支援の動きが本格化している。通信や空港の滑走路は一部復旧したものの、火山灰による水の汚染で飲み水の不足が依然として深刻な状態だ。

 今月15日、海底火山が突然噴火し、大きな被害を受けたトンガを助けるため、初めての救援物資空輸作戦が20日に始まった。飲み水と通信装備などの救援品を積んだニュージーランド軍のハーキュラス輸送機が同日、トンガ本島トンガタプにあるファアモツ国際空港に到着したと、ロイター通信が報じた。オーストラリア軍輸送機グローブマスターも救援物資を積んで同空港に着陸した。ここ数日、トンガ人たちが滑走路に5~10センチも積もった火山灰を必死に取り除き、輸送機が無事に着陸できた。

EUのトンガ総領事館が今月19日、首都ヌクアロファの状況だとして掲載した写真。自動車の上に火山灰が積もっている=ツイッターより//ハンギョレ新聞社に

 日本外務省も同日、自衛隊の輸送機で飲料水と火山灰除去装備などをトンガに支援する予定だと発表した。これに先立ち18日、水25万リットルを積んだニュージーランド軍艦がトンガに向かって出発した。同船は21日には現地に到着する見通しだ。

 震災に見舞われたトンガで最も深刻な問題は、火山灰や津波で押し寄せた海水による飲み水の汚染だ。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は19日「トンガ全域で水の供給が深刻に打撃を受けた」とし、「安全な飲み水の供給が必要だ」と明らかにした。また、水因性伝染病である「コレラの発生リスクが高まっている」と警告した。

 首都ヌクアロファ在住のトンガ人ジャーナリスト、マリアン・クフさんはロイター通信とのインタビューで、「すべての家に水タンクがあるが、大半が火山灰で汚染されているため、安心して飲めない」と述べた。食糧は十分かという質問に対し、「おそらく数週間程度は生存できる量がある。しかし飲み水はそこまで持たないかもしれない」と語った。欧州連合(EU)のトンガ領事館が19日、ツイッターに首都ヌクアロファの姿として掲載した写真を見ると、椰子の木が立ち並ぶ浜辺が火山灰に覆われて灰色に変わっていることが確認できる。トンガ政府は18日夜、緊急声明を発表し、「今回の事態で少なくとも3人が死亡した」と明らかにした。しかし、被害状況が完全に把握されたわけではなく、犠牲者は増えるものとみられる。

 また、通信線も少しずつ復旧しつつある。トンガ通信会社のデジセルは19日午後遅く、国際電話が一部復旧したと発表した。しかし、海底通信ケーブルの損傷によりインターネットなどの通信が完全に復旧するには、1か月またはそれ以上かかると予想される。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/1028133.html韓国語原文入力: 2022-01-21 02:34
訳H.J

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