南アフリカ、英国、デンマークでそれぞれ独立して行われた研究の結果、オミクロン株が引き起こす症状はデルタ株などの他の新型コロナウイルス変異株より軽いという、一致した結論が導き出された。ただし、この現象がオミクロン株の固有の特性なのか、ワクチン接種によって重症化が大きく抑制されたためなのかについては、さらなる研究が必要だという指摘も同時に提起された。
英国のインペリアルカレッジの研究チームは最近、深刻な重症を引き起こす可能性がオミクロン株は他の変異株に比べ11%低いことを明らかにした。「フィナンシャル・タイムズ」が22日(現地時間)報じた。これは感染者の年齢、性別、健康状態などのその他の変数を調整した後の結果だ。同紙によると、これを実際の人口に適用すれば、オミクロン株感染者の入院確率はデルタ株感染者より25%低いことになる。
南アの国立感染症研究所(NICD)も、10月から11月にかけて行った調査の結果、オミクロン株感染者の入院確率はデルタ株感染者よりも80%低かったと明らかにした。デンマーク国立血清研究所(ISS)も、11月22日から12月15日の間に感染した人を調査した結果、入院確率はオミクロン感染者の方がその他の感染者より3倍低かったと明らかにした。ただし、主にオミクロン株に感染しているのは若年層であるため、比較対象そのものが偏っている可能性があると述べている。
このような結果について研究者たちは、「オミクロン株はデルタ株より、すでにワクチン接種を済ませていたり、感染経験のあったりする人たちをよく感染させるということを考慮すべきだ」と口をそろえた。ワクチン接種などですでに生成された身体の免疫システムが、オミクロン株による重症化を抑制しうるからだ。南アの感染症学者シェリル・コエーン氏は「突破感染(ブレイクスルー感染)や再感染においては、オミクロン株による症状はあまり深刻化しないようだ。免疫システムの保護力が重症化を防ぐとみられる」と述べた。