米国の製薬会社ファイザーが開発した飲むタイプのコロナ治療薬が、米食品医薬品局(FDA)の使用承認を受けた。注射剤ではない世界初の家庭用錠剤治療薬で、新型コロナ対応でワクチンに続く重大な道しるべになると思われる。
食品医薬品局は22日(現地時間)、ファイザーが開発した経口用抗ウイルス錠剤「パクスロビド」を家庭用に緊急使用することを承認したと発表した。新型コロナで重症化するおそれのあるハイリスク群の12歳以上の患者がこの薬を服用できる。体重は40キロ以上でなければならない。パクスロビドを購入するには医師の処方が必要だ。
ファイザーの臨床試験で、パクスロビドはハイリスク群の患者の入院や死亡のリスクを89%減らす効果を見せた。
食品医薬品局のパトリジア・カヴァッツォーニ評価・研究センター長は「今回の承認は経口服用する錠剤タイプの最初の新型コロナ治療薬を導入することになる」とし「新しい変異(オミクロン)が出現した重大な時期に、新型コロナと戦う新しい手段を提供する」と話した。
パクスロビドは、新型コロナの症状が現れた直後から5日間、12時間ごとに服用しなければならない。ファイザーは、今年中には18万コース(1コース当たり30錠)が使用可能で、来年には1億2000万コースを供給できると明らかにした。
米国政府はすでにパクスロビド1000万コースの購入契約を結んだ。ジョー・バイデン大統領は、ひとまず来年1月には25万コース分を米全地域に公平に供給すると、この日明らかにした。
製薬会社メルクが開発した経口コロナ治療錠剤「モルヌピラビル」も米食品医薬品局の緊急使用承認を待っている。モルヌピラビルは臨床試験でハイリスク群患者の入院や死亡のリスク減少効果がパクスロビドより低い30%水準と現れた。