安倍晋三前首相の「最大のライバル」として自民党総裁選に過去3回挑戦して失敗した石破茂元幹事長は、今回の選挙の出馬を見送った。代わりに、当選が有力視される河野太郎行政改革担当相を支援する予定だ。
石破元幹事長は15日午後、記者会見を開き「今回の総裁選を迎え、河野氏を支援することにした。自民党と政治を変えてほしいとの国民の声に応えるためには、改革を志す勢力が二分することなく一致すべきだという考えで決断に至った。今後も新しい自民党を共に作るために力を尽くす」と述べた。河野行革相は13日、石破元幹事長に「党全体が一丸となる態勢を構築したい」と選挙協力を要請している。
石破氏は過去8年間一貫して安倍・菅政権に反旗を翻した政治家として、「次期首相」を問う世論調査で上位を保ってきた。しかし、国民的人気とは裏腹に党内の支持勢力が弱く、選挙のたびに苦杯を喫してきた。特に、2012年末に行われた選挙では1回目の投票では勝利したものの、国会議員の意向が大きく反映される2回目の決選投票で逆転負けという痛みを味わった。
この敗北により、7年8カ月に及ぶ安倍長期政権が始まった。安倍氏が権力の座に復帰し、日本社会の右傾化が加速化し、韓日関係だけでなく東アジア全体の情勢が大きく揺らいだ。石破氏の立場としては、成功の可能性が低い「4度目の挑戦」に乗り出す代わりに、自分のように「反骨気質」のある改革性向の河野氏の当選を助け、心の中に抱いていた政策を実現していくことに決めたといえる。
石破氏が出馬を断念し、17日に選挙運動が始まる今回の総裁選には、岸田文雄前政調会長、河野太郎行革相、安倍前首相の支持を受けている極右の高市早苗前総務相の3人が出馬することになった。野田聖子自民党幹事長代行が出馬を準備しているが、立候補のために必要な議員20人を集められるか不透明だ。事実上日本の新しい首相を選ぶことになる自民党総裁選挙は、29日に行われる。