菅義偉首相の後の次期首相にふさわしい人物を選ぶ世論調査で、河野太郎行政改革担当相が1位を占めている。
朝日新聞は、11~12日に有権者1477人(回答者基準)を対象に実施した電話世論調査で、次の自民党総裁にふさわしい人物として、河野行政改革担当相が33%と最多で選ばれたと13日付で報じた。石破茂元自民党幹事長は16%の支持を獲得しており、岸田文雄前自民党政調会長は14%、高市早苗前総務相が8%だった。自民党の総裁が首相に就任するため、29日に開かれる自民党総裁選は事実上、次期首相選びといえる。同世論調査で回答者の半数以上(58%)は安倍晋三前首相から菅首相に続く「安倍・菅路線」を次期首相が引き継ぐことを望んでいないと答えた。「引き継ぐ方がよい」と答えた人は28%にとどまった。
他の世論調査でも河野氏は首位に立った。日本経済新聞が9~11日に有権者984人を対象に行った電話世論調査でも、事実上次の首相となる自民党総裁に「ふさわしい人」として、河野氏は27%の支持率で1位だったと12日付で報道された。河野氏はツイッターのフォロワーが240万人を超え、新型コロナワクチン担当業務も引き受けており、若年層で知名度が高いと日本経済新聞は報じた。
河野氏は「脱原発」や「女系天皇容認論」など、自民党保守派の主張とは多少異なる主張も展開してきたが、10日の自民党総裁選出馬記者会見を見る限り、こうした主張から後退した。原発は「安全が確認されれば当分は再稼働するのが現実的」だとし、女系天皇容認論も事実上撤回した。父親の河野洋平元官房長官が1993年に発表した「河野談話」(日本軍慰安婦動員過程への強制性と軍の介入を認めた日本政府談話)についての質問に対しては、「自民党が継承してきた歴史観を受け継いでいきたい」と答えた。