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日本、五輪で過去最高成績にも…大規模な赤字・コロナ拡散で冷え込む世論

登録:2021-08-09 09:12 修正:2021-08-09 11:51
金メダル基準で総合3位に上がったものの 
開催費用3兆4千億円で東京五輪が過去最多 
開会後、日本でコロナ感染が爆発的に拡散
7月23日、東京五輪の閉会式が行われた東京の新国立競技場の様子=東京/AFP・聯合ニュース

 8日夜に閉会した東京五輪で、日本は3位(金メダル獲得基準)で過去最高成績を収めたが、新型コロナウイルスの爆発的拡散と最悪の赤字の憂慮で菅義偉政府に対する日本国内の世論は冷ややかだ。

 日本政府は東京五輪が取り消された場合、天文学的な違約金等を懸念して開催を強行したが、結局、五輪の費用はこれまでの五輪の中で最高水準になる見通しだ。日本が五輪開催のために使った費用は、当初の予想の3倍にのぼる3兆4千億円という推算が出ている。

 日本政府は今年初め、競技場の建設費用、大会準備、1年延期による追加負担など、五輪の直接経費が計1兆6440億円だと発表した。「週刊ポスト」は最新号に「この金額には五輪後も使用される既存施設の改修費用などは含まれていない。それらの費用は『五輪関連経費』として大会予算とは別に計上されており、金額は東京都が7349億円」と報じた。また、「政府は国の五輪支出をあくまで『大会経費(直接経費)』にしぼって発表しているが、会計検査院は他にも関連事業があると指摘した」と伝えた。総費用を総合すると、東京都が1兆4519億円、政府が1兆3059億円、東京オリンピック大会組織委員会が7060億円など、五輪の支出経費が約3兆4600億円に上る。

 米経済専門誌「フォーブス」も「東京五輪の総費用は最大280億ドルに達する可能性がある」と報道した。さらに「2016年リオ五輪の2倍の水準であり、冬季・夏季五輪合わせて最高水準になるとみられる」と伝えた。

 問題は、すでにかかった費用も多いが「無観客」開催によって大幅な赤字まで発生したという点だ。組織委の費用は、企業スポンサーや国際オリンピック委員会(IOC)の負担金、チケット販売などで充当されるが、無観客となり約900億円の収入が宙に浮いた。また、観客を想定して契約した食べ物、資材などの追加負担がさらに増えるという観測も出ている。組織委の武藤敏郎事務総長は、五輪開会直前の先月20日の記者会見で「大規模な赤字は避けられない」と明らかにした。

 国民のコスト負担に加え、五輪開幕以降、東京都を中心にコロナ感染者が爆発的に増え、収拾のつかない水準にまで突き進んでいる。五輪開会日の先月23日は4225人だった1日の新規感染者が、今月7日は1万5713人にまで急増した。日本政府は患者が急速に増えるにつれ「入院制限」まで持ち出すほど、医療システムが危機に直面している。

 専門家らは政府が「自粛」とは程遠い東京五輪を強行したため、厳しい防疫対策が現場であまり受け入れられなかったと指摘した。このような状況にもかかわらず、菅首相は記者会見のたびに「五輪が感染拡大につながったとは思わない」と述べるなど、無責任な態度を見せた。五輪開幕後で一番最近行われた先月23~25日の日本経済新聞の世論調査で、菅政権の支持率は34%となり、2012年以降最低を記録した。

 毎日新聞は、「選手たちの鍛錬や努力、挑戦は輝かしいもので、称賛に値することは確かだが、政府が感染拡大を受けて緊急事態宣言を発出しつつ祭典を繰り広げ、しかし国民には『危機感を持ってください』という矛盾は、小学生も感じているだろう」と放送タレントのコラムによる批判を掲載した。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1006845.html韓国語原文入力:2021-08-09 08:38
訳C.M

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