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福島第一原発汚染水放出「沿岸か沖合か」今夏決定

登録:2021-06-09 03:31 修正:2021-06-09 08:21
陸から離れた沖合での放出、「風評被害」が弱まるとの指摘も
福島第一原発の貯水タンクに保管中の汚染水=福島/AP・聯合ニュース

 福島第一原発の敷地内のタンクに保管中の汚染水を、沿岸と陸から離れた沖合のどちらに放出するかを巡り、東京電力が検討に入っていることが分かった。早ければ今夏にも具体的な放出地点を決める予定だ。

 日本経済新聞の8日の報道によると、東京電力は今月7日にこうした内容を含む福島第一原発の汚染水の海への放出についての検討状況を原子力規制委員会に報告した。東京電力は、汚染水を海のどの地点に捨てるのか、2つの案についてそれぞれ長所と短所を検討している。

 福島第一原発近くの沿岸に汚染水を放出するケースでは、現在ある放出口を利用でき、コストなどを削減できる。これに対し陸地から数キロメートル離れた沖合に捨てる案は、海中に配管を設置しなければならないことから、時間とコストがかかる。青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理工場は、液体廃棄物の安全性を確認した後に配管を通じて陸地から約3キロ離れた水深約44メートル地点に放出している。同紙は「福島の旅館業者などからは、(汚染水の)放出地点が人目に触れない沖合なら風評被害は比較的少ないとの声がある」と報じた。福島の漁業関係者らは、汚染水の海への放出により、福島は「放射性物質汚染地域」だという、いわゆる「風評被害」が生じることを懸念している。

 汚染水の安全性問題は依然として物議を醸している。放射性物質を除去する東京電力の「多核種除去設備(ALPS)」の性能に対する疑問が日本国内でも提起されているのだ。同紙は「3種類あるALPSの一部(2種類)は2013~14年に運転開始。本来は本格稼働前に受ける規制委の『使用前検査』や『性能検査』を受けていない」と批判した。日本政府の最終許可もない状態でALPSが稼動しているわけだ。東電は同紙に「できるだけ早く最終的な検査を受ける」と明らかにした。

 日本政府は今年4月、福島第一原発の汚染水(約125万トン)の放射性物質濃度を、法定基準値以下に下げた後に2年後から長期(約30年)にわたって海に放出することを決定している。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/998447.html韓国語原文入力:2021-06-08 12:39
訳D.K

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