資産価格算定の第一人者である米エール大学のロバート・シラー教授が、資産市場について「西部開拓時代」のようなバブルが発生していると懸念した。
シラー教授は23日、米国CNBCのインタービューで、住宅、株式、仮想通貨などについて、投資家の間に「ワイルド・ウェスト」(西部開拓時代)の思考が生じていると懸念した。彼は特に最近の住宅ブームについて「実質価格(インフレの影響が除去された価格)で住宅価格がこれほど高かったことはなかった」とし、「100年以上にわたる私のデータをみると、そのような点がある」とし気がかりを示した。
シラー教授は「そのすべてが中央銀行の政策で説明されるとは思わない」とし、「現在起きている市場の社会学に関連している」と説明した。住宅価格が「価値」ではなく市場の「心理」により左右されているという意味だ。ノーベル賞受賞者であるシラー教授が考案した「ケース・シラー住宅価格指数」は、住宅価格を測定する指標として利用されている。
シラー教授によると、過去30年間の住宅価格の上昇は住宅着工を推進したが、現在はそのようなパターンが再び起きているということだ。彼は現在の住宅価格の動向は2003年を連想させると述べた。2003年は住宅価格が下落を始めた2005年の2年前だ。シラー教授は住宅価格の下落は段階的に起き、最終的に2008年の金融危機の頃に暴落したと指摘した。
彼は「私たちは現在、多くの上昇の勢いを持っている」とし、「そのため、おそらく1年待っても住宅価格は下落しないだろう」と見通した。そして「3年か5年が過ぎれば、住宅価格は今より実質的に低くなると想像でき、それは良いことだ」と評価した。彼は「住宅所有者の観点ではなく、今後の住宅購入者の観点では良いこと」であり「より多くの住宅ができるほど良い」と付け加えた。
株価については、証券市場の大幅な反騰には集団心理が大きな役割を果たしていると診断した。彼は、2020年3月の底値よりS&P500指数とダウ指数は90%、ナスダック指数は100%上昇したことを指摘し、過去1年間の株価が極めて高く評価されているとみなした。彼は、インフレへの懸念が最終的には長期的な資産価格の下落を誘発すると見通した。
シラー教授は特に、仮想通貨市場に警告を送った。彼は「極めて心理的な市場であり、印象的な技術」だとしながらも「しかし、その価値の本源は極めてあいまいで、実際よりも私たちの言説に多くの影響を受けている」と指摘した。