日本の右翼勢力が韓国のドキュメンタリー映画『狼をさがして』の上映中止を求め、日本の映画館2カ所を脅迫したことについて、キム・ミレ監督が「本当に哀しいことだ」と述べた。
キム監督は日本国内の配給会社を通じて18日に公開した声明で「『狼をさがして』の上映を批判する一部の人たちが、映画と全く関係のない事実無根のひどい言葉を投げつける姿を映像で見た」とし、「本当に哀しいことだ」と述べたと、朝日新聞が19日付で報じた。キム監督は「現在の日本社会で『東アジア反日武装戦線』について問いを発し考えることが、いかに困難なことなのか」について心境を語った。右翼団体は映画館の前で上映を中止を求めてデモを行い、「映画の上映料が東アジア反日武装戦線の活動資金になっている」というデマを流した。
キム監督は「私がこの映画をつくったのは、『東アジア反日武装戦線』を貫く歴史を通じて、何よりもまず韓国社会に生きる私たち自身に『加害』について問いかけたかったから」だと強調した。彼女は「『狼をさがして』は『加害』とは何か、『加害者』とはだれなのか、その真実を追った映画」だと付け加えた。同映画は昨年8月、『東アジア反日武装戦線』というタイトルで韓国でも公開され、1970年代半ばに東京三菱重工業本社など、日本の戦犯企業を相手に爆破事件を起こした日本人らの約40年にわたる歴史を描いている。
キム監督は日本社会に感謝の気持ちも伝えた。彼女は「そうした事態がこれ以上広がらないよう尽力している、日本各地の劇場と配給会社のスタッフの皆さんや、観客の皆さんに、深い感謝の念と熱い連帯のこころを伝える」と明らかにした。右翼から攻撃を受けた2館のうち1館は公開を中止し、残りの映画館は右翼団体の脅しに「屈しない」として上映を続けている。今年3月から現在まで、同映画を上映しているか、上映を控えている上映館は、日本全域で約30館にのぼる。