本文に移動

帰ってきた右翼「つくる会」の中学歴史教科書

登録:2021-03-31 02:21 修正:2021-03-31 10:18
昨年の検定で不合格だった教科書、今年は合格
日本の歴史教科書資料写真=東京/聯合ニュース

 日本の右翼史観を元に歴史を記述し、東アジア諸国から批判を受けている日本団体「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)のメンバーが執筆した中学歴史教科書が文部科学書の検定を通過した。昨年の検定では落ちたが、今回再申請し合格した。

 文部科学省は30日、つくる会のメンバーたちが執筆し、自由社が発刊した『新しい歴史教科書』の検定を通過したと発表した。韓国の「アジア平和と歴史教育連帯」と「アジア平和と歴史研究所」が分析した資料によると、今回検定を通過した同出版社の中学歴史教科書も、歴史的事実を歪曲したり、植民支配の弊害などについて言及していないことが分かった。

 例えば、独島が日本の領土であると説明し、江戸幕府が17世紀半ばに竹島(独島)に対する領有権を確立したという事実と異なる内容を一方的に記述した。昨年の検定で不合格になった時から問題になった端島(通称「軍艦島」)関連の内容は、今回も維持された。朝鮮人強制労働で悪名高い端島について、「長く端島で生活してきた案内の人によれば、生活のレベルは本土よりも高く、『炭鉱で働く人々やその家族は、お互いに助け合い、温かい心の絆で結ばれていた』とのこと」と書かれている。

 日本にとって不都合な内容は言及すらされなかった。1923年9月、関東大震災に関する部分には「朝鮮人虐殺」に関する内容が全く含まれていない。日帝強占期(日本の植民地時代)当時、朝鮮人強制動員被害者や日本軍「慰安婦」問題についても言及されなかった。アジア平和と歴史教育連帯は「重大な歴史的事実の隠蔽」だと批判した。

 つくる会のメンバーが作成した歴史教科書は昨年、314ページの分量に検定意見が405件にもなり、不合格判定を受けた。文部科学省の教科用図書検定審査要領は、検定意見が1ページ当たり1.2個を超えた場合は、出版社の修正・補完作業なしに不合格処分を下せるよう定めている。自由社の中学歴史教科書の採択率は、昨年基準で0.1%だという。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/988885.html韓国語原文入力:2021-03-30 22:25
訳H.J

関連記事