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[社説]「慰安婦強制動員」消した教科書、約束を反古にした日本

日本の歴史教科書資料写真=東京/聯合ニュース

 来年から日本のすべての高校生が習うことになる歴史教科書12種類のうち1つだけが「日本軍慰安婦」動員の強制性を叙述したことが分かった。検定を通過した12種類の教科書のうち「慰安婦」を言及したものは8種類あるが、そのほとんどが「慰安婦がいた」というだけの簡単な叙述をやむをえず入れた。こうした教科書では、日本の未来世代が「日本軍慰安婦制度は戦時性暴行」という歴史的事実すら習うことはできない。日本政府が「慰安婦」の強制性を認め、歴史教育を通じて忘れないと約束した1993年の「河野談話」を正面から無視したきわめて遺憾な措置だ。

 今回の歴史教科書検定の結果が重要なのは、来年から世界史と日本史を合わせた「歴史総合」が日本の高校生の必修課目になるためだ。検定を通過した12種類のうち、山川出版社が作った教科書1種だけが唯一「慰安婦」の強制性に言及したが、それすらも本文ではなく脚注で説明した。残りの教科書は、実態だけを短く叙述したり、実態の説明もせずに戦後補償の問題だけを言及した。

 日本政府は「2015年12・28韓日慰安婦合意の約束を韓国が守らなかった」と非難するが、今回の教科書検定を通じて誰が本当に約束を守っていないのかが明らかになった。1993年4月、河野洋平当時内閣官房長官が発表した談話は、「慰安婦」の動員と生活について強制性を明確に認め「歴史の真実を回避することなく」「歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を表明する」という内容を含んでいる。今回の歴史教科書にはこうした内容はまったく見られない。「慰安婦」問題の本質は、それが女性に加えられた拭いきれない戦争犯罪という点だ。日本政府と社会には、その歴史的真実を未来世代に明確に教える責任がある。

 一部の歴史教科書は、日本帝国主義のアジア侵略を「進出」と叙述した。1982年の日本教科書歴史わい曲事件の時、韓国「侵略」を「進出」とし、外交権の剥奪を「接受」などとねじ曲げた事例を想起させ驚かざるをえない。「独島(ドクト)は日本の固有領土」「韓国の(不法)占拠」という日本政府の主張も大多数の教科書に載った。

 未来世代の正しい歴史認識がないならば、韓日関係の明るい未来は期待し難い。日本が歴史の真実に向き合う勇気を持つよう忠告する。教科書の誤った記述を正すことから意味ある変化を始めることができる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/988873.html韓国語原文入力:2021-03-30 18:56
訳J.S