自民党内部でナム・グァンピョ駐日韓国大使の帰還要求まで取り上げるなど、韓国裁判所の日本軍「慰安婦」被害者賠償判決に強く反発しているという。
自民党の佐藤正久外交部会長は12日に開かれた党外交部会で、韓国裁判所の判決は「日本の主権を侵害する由々しき事態」だとし、ナム・グァンピョ駐日韓国大使の帰還を求めることも選択肢との見解を示したと、日本経済新聞が13日付で報じた。ナム大使はカン・チャンイル次期駐日大使の赴任に合わせ、近く帰国する予定だ。
同日の会議では、韓国裁判所の「慰安婦」賠償判決が1965年の韓日請求権協定や2015年の韓日慰安婦合意、主権免除を認める国際法を無視するなど、問題が深刻だということで意見を共有したという。一部議員からはカン・チャンイル次期駐日大使のアグレマン(外交使節に対する事前同意)の取り消しを検討すべきという声も上がったと、産経新聞が報道した。また、国際社会に韓国側の不当性を説明し、国際司法裁判所への提訴が必要だという意見も出たという。近く韓国に入国する相星孝一次期駐韓日本大使の赴任を遅らせるべきとの案も出たと、同紙は報じた。
自民党外交部会の議員からは「日本外務省の対応が弱い」という声も上がっており、同部会は韓国への強い対抗措置を政府に要請する方針を決めた。
同日の会議に出席した日本政府側の関係者は「会合での意見を踏まえて対応したい」と述べたと、産経新聞が報じた。日本政府は今月8日に韓国の裁判所で判決が下された後、「受け入れられない」とし、国際司法裁判所への提訴を検討するとともに、韓国政府が解決策を講じるよう要求していた。毎日新聞は同日、「(「慰安婦」判決による)衝撃度は元徴用工判決より上」という外務省幹部の発言を報じた。今回の判決が主権免除を認めず、日本政府の賠償責任を初めて認めたためと見られる。