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IAEA事務局長、福島原発汚染水の海洋放出「技術的には可能」

登録:2020-12-21 06:09 修正:2020-12-21 10:13
共同通信とのインタビューで明らかに 
日本政府の方針の擁護に懸念の声も
今年2月、福島第1原発を視察しているラファエル・マリアノ・グロッシ国際原子力機関事務局長/共同通信・聯合ニュース

 国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長が日本の福島第1原発敷地のタンクに保管中の汚染水を海に放出する方針に対し、「技術的には可能だ」という見解を明らかにした。

 グロッシ事務局長は19日(現地時間)、オーストリアのウィーンにある国際原子力機関本部で、共同通信のインタビューに応じ、トリチウムが人体に及ぼす影響が少ないとされる点を根拠に、海洋放流をすることが「技術的には可能だ」と述べた。彼は今年2月に日本を訪問した際も、同じ内容の発言をした。グロッシ事務局長はまた「(福島第1原発の)処理水の問題を日本側と協議している」とし、「処分が決まった場合、要請があれば国際監視チームをすぐに派遣する用意がある」と強調した。

 グロッシ事務局長が日本の原発関連汚染水の海への放出を擁護する発言をしたことに対して、懸念の声もあがっている。最も大きな問題は汚染水の安全性だ。東京電力は「多核種除去設備(ALPS)」で放射性物質をろ過すれば、タンクの中の汚染水には現存する技術で除去できないトリチウムしか残らなくなると説明してきた。しかし2018年の調査でALPSで浄化した汚染水の70~80%にセシウムやストロンチウム、ヨウ素など人体に致命的な放射性物質が基準値以上含まれていることが分かった。東京電力は最近、汚染水の一部をALPSで2次処理したところ、主要放射性物質が基準値未満に落ちたと発表した。しかし、2次浄化の結果は、全体汚染水のうちごく一部であり、具体的な情報も公開されておらず、検証が必要な状態だ。また、トリチウムが環境に及ぼす影響がまだ明らかになっていないため、日本のように事故原発の物質を長期間(30年)にわたり大規模に海洋放出した場合、厳格な管理が必要だという声が日本国内でもあがっている。

 福島第1原発は、2011年の東日本大地震による爆発事故で稼動が中止となり、廃炉作業が行われているが、核燃料の冷却水や地下水や雨水など、汚染水が増えている。日本政府は2022年夏にタンク不足になるとして、汚染水を二度浄化して海に放出する案を進めている。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/975047.html韓国語原文入力:2020-12-2014:46
訳H.J

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