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「空の支配者」F-35、日本で墜落

登録:2019-04-11 06:58 修正:2019-04-11 08:35
青森県付近の海で機体の一部発見 
日本防衛省「離陸から30分後墜落した」 
日本が147台導入予定の主力戦闘機 
40機を戦力化する計画の韓国にも最近2機到着
韓国の初のステルス戦闘機F-35Aが先月29日、清州空軍基地に着陸している//ハンギョレ新聞社

 韓国空軍も次世代戦闘機に選んだF-35Aが、日本で墜落し、波紋が広がっている。2016年から実戦配備に入ったF-35Aの墜落は世界で初めての事例だ。

 岩屋毅防衛相は10日、前日から行方不明となっていた航空自衛隊F-35Aの尾翼の一部が発見され、墜落の事実が確認されたと発表した。岩屋防衛相は、青森県三沢基地周辺の海で機体の一部を発見しており、操縦士を探す捜索が行われていると述べた。3等空佐の操縦士は飛行経歴3200時間のベテランだが、緊急脱出した痕跡は発見されなかった。

 墜落した戦闘機は離陸から30分後の9日夕方7時30分に三沢基地東135キロの海上で行方不明になった。岩屋防衛相は「4機が編隊飛行訓練を行っていたが、1番機が『訓練中止』の信号を送った後、通信が途絶えた。レーダーからも消えた」と述べた。今回の事故は三沢基地で航空自衛隊初のF-35A飛行中隊が発足してから11日後に発生した。事故機は米ロッキードマーティンから部品を持ち込み、三菱重工業が名古屋工場で組み立てた初製品だ。航空自衛隊は残りのF-35A機種12機の飛行を中止した。

 日本自衛隊はF-35を合わせて147機導入する計画がある。米軍を除いては最も多い導入計画だ。航空自衛隊用に105機のF-35Aを導入し、短距離離陸と垂直着陸が可能なF-35Bも42機導入して、航空母艦に改造する予定のいずも級護衛艦の艦載機として運用する計画だ。

 韓国空軍も2021年まで7兆4000億ウォン(約7230億円)をかけてF-35A 40台を導入する予定だ。先月29日、最初の2台が清州(チョンジュ)空軍基地に到着した。

 5世代戦闘機F-35Aはレーダーにとらわれないステルス機能があり、敵機を先に探知して攻撃することができる。これと共に先端通信システムなどを利用する卓越した空中戦能力で、「ゲーム・チェンジャー」や「空の支配者」とも言われる。最大速度はマッハ1.8で、戦闘行動の半径は1093キロメートルだ。一般滑走路を使う空軍用のA型や上陸艦に搭載する海兵隊用のB型、航空母艦に搭載する海軍用C型がある。2018年までABC型を合わせて358機が生産された。

 米国は、これまで先端機種であるF-35の販売を統制し、対外関係のテコに使用したこともあった。最近、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国とトルコがロシア制S-400防空ミサイルを導入する方針を決めたことを受け、ロシアがF-35の弱点を把握できるとの理由で、トルコへの販売計画を取り消した。

 F-35については、先端という言葉にふさわしくなく、欠陥をめぐる議論が後を絶たなかった。昨年9月、米国サウスカロライナ州海兵隊基地近くでF-35BがF-35系列機種初の墜落事故を起こした。燃料管の不良が原因と推定された。2014年には、米フロリダ州でF-35Aが離陸の途中の尾翼に火災が発生し、エンジンの欠陥が原因という調査結果が出た。2016年に米国防総省試験評価局は、兵器装着庫が高熱に弱いなど、多くの弱点を指摘した。昨年、米議会傘下の会計監査院(GAO)は「ヘルメット装着ディスプレーが、夜間に映像がよく見えない欠陥などがある」と明らかにした。

 一方、韓国空軍は、日本の航空自衛隊の墜落事故後に米太平洋空軍司令部に問い合わせた結果、「韓国に対する飛行中止勧告はない」という返答を受けたと明らかにした。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/889443.html韓国語原文入力:2019-04-10 19:53
訳H.J