非核化交渉にかかわる朝米の主要人物らの動きが慌ただしくなってきた。来年初めの第2回朝米首脳会談の開催に向けて、今月初めに取りやめになったマイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮の金永哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長との会談が近く開かれるものと見られている。
アンドリュー・キム米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンター長は、今月14~17日に非公開で韓国を訪問し、同期間中に板門店(パンムンジョム)で北側関係者と接触したという。キム・センター長は、情報機関を含む韓国政府関係者にも接触したとされる。キム・センター長はポンペオ長官の最側近で、ポンペオ長官の4回にわたる訪朝に同行したうえ、6・12朝米首脳会談準備過程にも深く関与した人物だ。ドナルド・トランプ政権の対北朝鮮交渉において「幕裏の調整窓口」の一翼を担っている。
キム・センター長が板門店で接触した北側の関係者が誰なのかは確認されていない。朝米関係に詳しい消息筋は18日、「キム・センター長は以前にも必要に応じて訪韓しており、今回の非公開の訪韓が前例のない特別なことではない」とし、過度な意味づけを警戒した。しかし、2回目の朝米首脳会談の準備に向けた高官級会談を控え、激しい“駆け引き”を繰り広げられている最中に実現した訪韓である点で、注目を集めている。京畿道とアジア太平洋平和交流協会が共同主催した「アジア太平洋の平和・繁栄に向けた国際大会」に出席するため、14~17日に京畿道を訪問した北朝鮮代表団のリストから、キム・ソンヘ統一戦線部統一戦線策略室長がインフルエンザを理由に抜けたことを、キム・センター長との板門店接触と関連づける専門家もいる。
高官級会談は、早ければ今月中に開かれる可能性も排除できない。ある外交消息筋は「米国は、北朝鮮の準備が整っているなら、いつでも高官級会談を行うことができるという立場だ」と話した。しかし、今月21日から5日間、米国が感謝祭の連休に入るうえ、今月末にはポンペオ長官がトランプ大統領に随行してG20首脳会議に出席するためアルゼンチンを訪問する予定であることから、12月に開催される可能性が高いと見られている。
イ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長も、19~21日にワシントンを訪問し、国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表らと会談し、朝米交渉と韓米協力案について協議する。来年1月の2回目の朝米首脳会談の開催を成功させるために、南北米がその土台作りに向けて奔走している。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、イ・ジェフン先任記者(お問い合わせjapan@hni.co.kr)