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金正恩委員長の専用機「大鷹」ウラジオストクを往復…なぜ?

登録:2018-07-09 22:53 修正:2018-07-10 07:29
9月、東方経済フォーラム出席のための予行練習という観測 
訪問実現すれば、南北露経済協力の突破口開かれ 
対立してきた朝日首脳会談の電撃開催も
金正恩北朝鮮国務委員長の専用機「大鷹1号」=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の専用機である「大鷹1号」(IL-62M)が9日、平壌(ピョンヤン)とロシアのウラジオストク間を往復飛行していたことが確認された。金正恩委員長の9月のウラジオストク訪問を念頭に置いた予行練習でないかという観測が出てくる。

 9日、全世界航空機の移動経路をリアルタイムで見せるフライトレーダ24によれば、「大鷹1号」はこの日午前、北朝鮮の東海上空を通じてウラジオストクに到着し、約3時間滞留した後に同じ航路で北朝鮮に戻った。北朝鮮の高麗航空は、平壌-ウラジオストク路線の定期便を運航しているが、この日の航空便はそれとは別に運航した。この飛行機に金委員長が搭乗したか否かは確認されていない。

 これに先立ち、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、5月31日に平壌を訪問したセルゲイ・ラブロフ外交長官を通じて金委員長のロシア訪問を要請したのに続き、先月14日に2018年ロシアワールドカップ開幕式に合わせてモスクワを訪れた金永南(キム・ヨンナム)北朝鮮最高人民会議常任委員長を通じても「9月にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラム時のロシア訪問を要請する」という意思を再度明らかにしている。朝鮮中央通信は、ラブロフ長官の訪朝事実を伝えて、彼が「プーチン大統領の親書を丁重に伝えた」と明らかにしたが、プーチン大統領が金委員長を招請した事実とこれに応じるか否かについては一切言及しなかった。クレムリン側でも5日(現地時間)、プーチン大統領の「招請はあったが北朝鮮はまだ態度を決めていない」と確認した。

2016年9月、ロシアのウラジオストックで開かれた東方経済フォーラム行事で安倍首相(左)とウラジミール・プーチン・ロシア大統領が歓談している/聯合ニュース

 9月11~13日に予定された東方経済フォーラムに金委員長が参加すれば、国際多国間外交の舞台に初めて姿を現すことになる。このフォーラムには、中国の習近平国家主席と日本の安倍晋三首相の出席が事実上予定されていて、先月21~23日にロシアを国賓訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領も出席を検討している。金委員長がこの会議に参加すれば、3回目の南北首脳会談が開かれる可能性もある。

 東方経済フォーラムは、プーチン大統領がロシア極東開発に韓国や日本など周辺国を引き入れるために2015年に創設した会議体で、2016年には朴槿恵(パク・クネ)前大統領、昨年は文在寅大統領が参加した。ロシアは南北とウラジオストクを結ぶ朝鮮半島縦断鉄道(TKR)の建設と韓国-ロシアを結ぶ天然ガスパイプライン連結事業に大きな関心を持ってきた。金委員長が参加すれば、今まで停滞状態にあった南北とロシアを結ぶ極東開発事業の大きな進展の契機になると見られる。

 金委員長のフォーラム出席は、日本にとっても好材料だ。日本は金委員長が今回のフォーラムに参加すれば、安倍首相と初の朝日首脳会談を試みると見られる。安倍首相は6・12シンガポール朝米首脳会談以後、自身の最大関心事の一つである拉致問題解決のために金委員長と首脳会談を開きたいという意志を繰り返し明らかにした。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/852528.html韓国語原文入力:2018-07-09 21:40
訳J.S

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