韓国現代史の権威とされる米シカゴ大学のブルース・カミングス教授が「ワシントンの既得権から自由なドナルド・トランプ大統領だからこそ、朝鮮半島問題を解決する希望がある」と分析した。
著書『朝鮮戦争の起源』で有名なカミングス教授は14日、米時事誌の「ネイション」に掲載されたインタビューで、「6・12朝米首脳会談で、米国は得たものがなく、韓米合同軍事演習の中止という譲歩をしただけ」という一部の指摘について、「同意しない」と話した。彼は「米国は1945年以来、北朝鮮指導者と対話することを拒否してきた」とし、「トランプと金正恩(キム・ジョンウン)の初会談のポイントは、北朝鮮がこれ以上核武装国にならないためのプロセスを開始したという点」にあると評価した。
カミングス教授は、トランプ大統領が「韓米合同演習を中止する」と発言したことについて、「軍事演習の取り消しは1994年にもビル・クリントン大統領が北朝鮮への譲歩措置とした取ったものだ。ペンタゴン(米国防総省)は、このゲーム(合同演習)を実施しないのが嬉しくないだろうが、これは小さな譲歩にすぎない」と指摘した。
カミングス教授は、トランプ大統領が韓米合同演習を「挑発的」と表現したことについても、「トランプの発言は理にかなっている。トランプが狂気の中で韓国状況を純粋に見ている」と話した。彼は韓米合同演習で、北朝鮮最高指導者を斬首する訓練を行っており、オバマ政権時代には戦略爆撃機B-52で模擬核兵器投下訓練も実施した点などに言及し、「このようなことは北朝鮮(の安全を)に脅かすものだ。しかし、どの大統領もそれが挑発的だと言うのを聞いたことがない」と指摘した。さらに、「トランプが全くの経験不足で、ワシントンの外交政策既得権層と連携が足りないという点が、彼がこのようなことをする自由を与えている」と指摘した。カミングス教授は「トランプが大統領であるからこそ、肯定的な面もある。彼は誰にも、特に米ワシントンの既得権にとらわれず、変わった方法で多くの進展を成し遂げられるだろう」と繰り返し強調した。
カミングス教授は、北朝鮮が非核化の見返りとして平和協定の締結と経済支援を望んでいると話した。彼は「核・ミサイル放棄の見返りとして、北朝鮮は年間10億~20億ドル規模の支援を望んでいる」とし、「これは雀の涙(a drop in the bucket)に過ぎない」と語った。北朝鮮の経済発展モデルについては「強力な国家の介入と共産党の支配力のもと市場原則を活用して急速に成長したベトナムや中国モデルに影響される可能性がある」と指摘した。