北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領が6・12朝米首脳会談のために、シンガポールの中心街内に570メートルの距離を置いて並んで宿泊するものとみられる。
最近までシンガポールで米国代表団と実務協議を行ったキム・チャンソン北朝鮮国務委員会部長は8日午前0時5分ごろ(現地時間)、セントレジスホテルに車に乗って姿を現したと、「聯合ニュース」が報道した。キム部長はマリーナベイ地域のフラトンホテルに泊まって米国側と協議を進めており、6日に中国の北京に行ってから7日夜にシンガポールに再び入国した。北朝鮮代表団は1日、セントレジスホテルを視察する姿が報じられており、このホテルが金委員長の宿泊先になるものと予想される。
セントレジスホテルの周辺には移動式閉鎖回路テレビ(CCTV)約10台が設置されており、私服姿のシンガポール保安関係者たちがホテルのロビーで長時間対話する姿も見られたと、地元メディアが報じた。同ホテルは299個の客室を保有した5つ星級として、最上階の20階には寝室や応接室、食堂、事務室、テラス、運動施設などを備えた「プレジデンシャル・スイートルーム」がある。セントレジスホテルは2015年、中国の習近平国家主席と馬英九台湾総統が初の両岸首脳会談をする際、習主席が泊まった場所だ。
10日午後シンガポールに到着すると予想されるトランプ大統領は、セントレジスホテルの北側に位置したシャングリラホテルに泊まる可能性が高い。この二つのホテルの直線距離は570メートル、歩いて9分の距離だ。シャングリラホテルは15日まで地下駐車場が閉鎖されるなど、セキュリティが強化された。729個の客室を備えたシャングリラホテルは、2015年初の両岸首脳会談場所に使われ、毎年アジア安全保障対話(シャングリラ対話)が開かれる場所だ。
シンガポール政府は4日、シャングリラホテルとセントレジスホテルが含まれたタングリン圏域を朝米首脳会談に向けた「特別行事地域」に指定した。首脳会談場所のカペラホテルを含めたセントーサ島一帯も特別行事地域に指定された。両首脳の宿舎区域から会談場のカペラホテルまでは直線距離約7キロメ―トルで、交通統制を考慮すれば、移動に10~20分かかるものとみられる。
各国取材陣3千人が集まって世紀のイベントを全世界に伝えるメディアセンターは、マリーナベイ地域のフォーミュラワン(F1)ピットビルに設けられた。