今月16日(月)午後2時30分頃、東京の渋谷でスーツを着た一人の男性が黒い乗用車から降りた。彼が向かったところは“個室ヨガ”店だ。密閉された空間で、女性のヨガ講師から一対一で“レッスン”を受ける店だ。“レッスン”が終われば、オイルマッサージも受けると知られる店だ。
日本の週刊誌「週刊文春」が公開したこの店の訪問者は、林芳正文部科学相だ。韓国の教育部長官に該当する人が、官用車に乗って平日の白昼に“セクシー個室ヨガ”教室を訪ねたという。林文部科学大臣の姿が捉えられた日は、安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園に政府が特典を与えた事件で文部省は苦労していた日だった。野党の要求で文部科学省に加計学園獣医学部新設許可の件について「首相案件」と書かれた文書があるかを調査しているその日であった。
林文部科学大臣が行ったところは、アダルトビデオの俳優として活動した女性が運営する店で、元“グラビア”(水着やセミヌード映像物)モデルなどがインストラクターを務めていると「週刊文春」は伝えた。料金は1時間1万1000円(約11万ウォン)だ。
林文部科学大臣の“セクシー個室ヨガ”教室訪問は、各種スキャンダルで危機に陥った安倍政権にとって泣き面に蜂だ。私学法人特典スキャンダルが進行中で、最近福田淳一前財務事務次官は女性記者セクハラ事件で辞任した。佐川宣寿前国税庁長官も公文書改ざんスキャンダルで辞任して、財務省側の主要官僚2人が同時に空席になった。1998年、財務省の前身である大蔵省腐敗事件で7人が逮捕され、112人が懲戒を受けて以来の出来事だ。
前現職閣僚の妄言と安易な態度は、世論に油を注いでいる。麻生太郎副首相兼財務相は、深刻なセクハラ発言が録音された福田前次官について「(被害記者に)はめられて問題提起されたのではないか」と話した。安倍政権の教育右傾化を指揮した下村博文元文部科学大臣は「放送局の人が録音を週刊誌に売ったのは犯罪」としてあろうことか被害者を攻撃した。
林文部科学大臣は25日に記者会見を行い謝罪した。だが「公務と公務の合間ににヨガ教室に行った」として、しばし休息を取ったという口ぶりだった。彼は「一般的なヨガレッスンと指圧マッサージを受けた。健康管理のためだった」と主張した。文部科学省も「公用車の使用は公務の円滑な遂行のためのものであるから、規定上問題ない」と弁解した。林文部科学大臣は「政府が強い叱責と批判を受けている最中に、不必要な誤解を産んで混乱を招き申し訳ない」とし、安倍政権に対する世論が荒々しいことを自ら認めた。