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“配慮”は日本固有の文化?日本の過度な愛国心教育が論議に

登録:2018-03-29 08:35 修正:2018-03-29 09:54
中学校道徳教科書、初の検定公表 
「秩序の順守、日本の立派な国民性」 
断定的・自画自賛の記述多く議論に 
愛国心に点数をつける教科書も
日本文部科学省のある東京千代田区の政府合同庁舎//ハンギョレ新聞社

 日本文部科学省は27日、戦後初めて実施した中学校の道徳教科書検定結果を公表した。ところが、日本の良い点だけを強調する内容が少なくなく、生徒に特定の価値観を強要する恐れがあると東京新聞などが報道した。

 教育出版は2011年の東日本大震災当時、日本人の対応を取り上げ「我慢の精神は日本人の良い面」、「危機の中でも法を守り秩序を守る高い品格こそが日本人の立派な国民性」と書いた。教科書はソ連軍が第2次大戦後、ウズベキスタンに劇場を建設する際に日本人捕虜が動員された事例を取り上げながら、今も現地人たちが日本人に感謝していると書いた。

 近現代史研究者の辻田真佐憲氏は東京新聞に「『日本はすごい』という日本を称賛する雰囲気が教科書にまで影響を及ぼしている」とし、「失敗から学ぶことも必要なのに良い点だけを取り上げることで一貫している」と述べた。

 生徒が自ら愛国心の点数をつけるようにした教科書もある。廣済堂あかつきは「節度、節制」、「国を愛する態度」など、政府が学習指導要領で定めた22項目について生徒が5段階で自ら評価するページをつけている。

 検定で問題を指摘されるほど客観性を失った記述をした所もあった。学校図書は「わが日本の文化には相手に対する敬意と配慮を大切にする伝統がある。これを表すために他の国にはない細かな言語使用がある」と書いた。文部科学省は検定で過度に「断定的記述」だという意見を書き、「他の国にはない」という表現は結局削除された。

 愛国心を強調する無理な記述が入った背景には、安倍晋三政権の愛国心教育がある。文部科学省は学習指導要領に「わが国の伝統と文化の尊重」、「国を愛する態度」などを含め、教科書に愛国心を強調する内容を必ず書き入れるようにした。安倍首相は第1次政権時期の2007年、学校教育法を改定して義務教育目標に愛国心教育を含ませた。敗戦まで日本は「修身」という名で生徒たちに極端な愛国主義と全体主義教育をし、終戦後に連合軍最高司令部がこの教育を廃止させた。その後、道徳は正式科目としては教えていなかった。2012年末、再び政権を握った安倍首相は、今年から小学校で、来年からは中学でも道徳を正式科目として教えることにした。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/838081.html韓国語原文入力:2018-03-28 21:16
訳M.C

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