本文に移動

小池知事はポスト安倍になるだろうか

登録:2017-07-03 22:12 修正:2017-07-04 06:55
東京都議会議員選挙圧勝後 

「都民ファーストの会」代表職を辞退したが 
中央政界進出、首相職挑戦の可能性高いとの分析 
中央政党に切り替えるか自民党と手を握る可能性 
核武装、在特会講演、日本会議会員など極右指向
2日、東京都議会議員選挙で自民党が惨敗し、政治的危機に覆われた安倍晋三首相が3日、首相官邸で記者たちの質問に答えている=東京/AP聯合ニュース

 小池百合子東京都知事は“ポスト安倍”になるだろうか?

小池百合子東京都知事が2日、東京都議会議員選挙で自身が率いる都民ファーストの会が圧勝をおさめ拍手している=東京/EPA聯合ニュース

 2日、東京都議会議員選挙で小池支持派が127議席中の79席をさらう圧勝を収め、小池知事が中央政治に進出し権力を握る可能性があるという見方が出ている。“安倍1強”と言われる程に独走してきた安倍晋三首相は、自民党が歴代最悪の23議席に終わり、権力漏水現象が現実化している。

 小池知事は圧勝した翌日の3日、自身が率いる地域政党「都民ファーストの会」の代表職を辞めるという衝撃の発表をした。「都知事の業務に専念したい」として、中央政治と距離を置くような発表だったが、それをありのままに受け入れる見方は多くない。代表職を辞退したのは、都議会に都知事に対する“イエスマン”が充満し、牽制機能が作動できなくなるのではという批判をあらかじめ遮断する目的もあるように見える。

 小池知事は自民党議員時期である2008年党総裁選挙に出馬して首相席を狙ったことがある。2012年自民党総裁選挙では石破茂議員を支援した。朝日新聞は匿名を要求した自民党閣僚出身政治家が「小池は石破の次は自分だと考えなかったか」と話したと伝えた。

 小池知事が首相の座に挑戦するシナリオは、大きく分けて二通りある。第一は、橋下徹前大阪府知事が「大阪維新の会」という地域政党を踏み台にして「日本維新の会」という中央政党を作ったモデルだ。今回の選挙を控えて、自民党、民進党、日本維新の会の党籍を捨てて、小池知事を支援した国会議員は3人いる。国会議員をさらに2人集めれば、選挙法上の政党設立要件である5人を充足する。ただし、橋下前知事が大阪維新の会を作った時には、地方分権という議題を投じて始めたのに比べて、小池知事が実質的に率いる都民ファーストの会が中央政党に変貌したとしても、前面に掲げる名分は明確に見えない。

 もう一つのシナリオは自民党との連帯だ。安倍首相の対抗馬に浮上しはしたが、小池知事は極右指向の政治家だ。発言自体だけを見れば、安倍首相以上に極右的とも言える。2003年の毎日新聞とのインタビューで、日本の核武装に関する質問に「国際情勢によっては検討する」としながら、必要になるという趣旨で答えた。嫌韓団体の「在日特権を許さない市民の会」(在特会)で講演したこともあり、安倍首相の改憲の動きを後押しする右翼団体「日本会議」の会員だ。こうした指向から見る時、自民党と連帯するか、あるいは自民党に再入党する可能性もある。彼女は東京都議会議員選挙の党内候補者競選が本格化した先月に離党届を出し、自民党本部は選挙の翌日である3日にこれを受理した。

 安倍首相は惨敗で指導力が揺らぎ始めた。彼は来年9月の総裁選挙で3選して、2021年まで執権する戦後最長寿の首相になり、在職中に改憲するという目標に向かって推進してきた。だが、今回の都議会議員選挙で、1965年と2009年に記録した最低議席である38議席より15議席も少ない23議席という惨敗を喫し、党内に潜在していた不満と異見が噴出し始めた。日本のマスコミは、当然視されていた来年の総裁3選も既に不確実になったと分析した。安倍首相は3日「選挙結果は自民党に対する叱責だ。深く反省する」として頭を下げた。

 指導力にヒビが入った安倍首相が、朝鮮半島政策で変化を試みる可能性もあるが、まだ方向を占うことは難しい。イ・ジョンウォン早稲田大学教授は「東京都議会議員選挙は地方選挙だが、中央政治に大きな影響を及ぼす」として「打撃を受けた安倍首相が日朝協議に入る可能性もある一方で、一層強硬な対北朝鮮政策を打ち出す可能性も現時点では共に存在する」と話した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/801264.html 韓国語原文入力:2017-07-03 19:01
訳J.S(1891字)

関連記事