日本の自衛隊が、1954年7月の創設以来初めて、直接攻撃を受けなくても武力を使用できる任務を与えられ、海外に派遣される見通しだ。今年3月、集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法が制改定されてから、日本の自衛隊の質的変化が徐々に始まろうとしている点で注目される。
安倍晋三首相は今月23日、埼玉県の朝霞陸上自衛隊訓練場で行われた自衛隊観閲式に出席し、昨年3月に施行された「この法制(安保関連法)によって、諸君には新しい任務が与えられることになる。これはすべて、尊い平和を守り抜き、次世代へと引き渡していくための任務だ。(自衛隊の諸君は)そのことを肝に銘じ、かけがえのない平和の守り神として、精強なる自衛隊を作り上げてほしい」と述べた。
安倍首相が言及した「新しい任務」は11月、南スーダンに派遣される次期自衛隊平和維持活動(PKO)部隊に与えられるとされる「駆け付け警護」任務を意味するものとみられる。「日本経済新聞」など日本のマスコミ各社も24日、「(現在)陸上自衛隊は『駆け付け警護』など安全保障法に基づく新任務を遂行するための準備を進めている」と報じて、このような事実を裏付けた。
日本の平和憲法の核心である「第9条」のために、海外派兵自体が不可能だった日本の自衛隊が、世界平和への貢献を名分に掲げ、国連(UN)平和維持活動に参加することになったのは、1992年からだ。しかし、それ以降も日本政府は、自衛隊が直接攻撃を受けたり、自衛隊の直接的な保護の下にある民間人が攻撃を受けない限り、自衛隊が(先に)武器を使用しないように厳しく制限してきた。この制限を緩和すれば、自衛隊が現行憲法が固く禁止する「海外での武力行使」に巻き込まれる可能性が高まるからだ。
しかし、日本政府は昨年9月、自衛隊の周辺の国連職員など民間人が武装勢力によって攻撃を受けた場合、彼らを助けるために現場に出動する「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」などの任務を実施できるよう、法を改正した。また、このような任務を遂行する過程で、自衛隊が武器を使用できるようにした。自衛隊はこれまで初めて、自分が攻撃を受けていない状況でも、武力を使用できるようになったのだ。
安倍首相が自衛隊にこのような任務を与えた最も大きな理由は、日本が世界平和により積極的に介入すべきという「積極的平和主義」の信念の下、国際社会を導く「大国日本」を夢見ているためとみられる。安倍首相は同日、自衛隊がこれまで世界各地の平和維持活動に参加してきた事実に言及し、「今もアフリカの南スーダンの自立を助けるため、汗を流す隊員たちがいる」としたうえで、「今後も『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、国際的な舞台で活躍してほしい」と述べた。
安倍首相が自衛隊員たちの前で「新しい任務が与えられる」と明らかにしたことで、11月に南スーダンに派遣される陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊を中心とする平和維持活動の第11次隊に、新しい任務を与える実施計画変更案が、11月頃閣議決定される見通しだ。しかし、日本では現在、南スーダンで依然として内戦が続いており、現地の治安状況が悪い点を挙げて、武力衝突を懸念して自衛隊に新しい任務を与えてはならないとの指摘が続いている。