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中国「南北緊張で軍事パレードに支障あれば座視しない」

登録:2015-08-24 21:51 修正:2015-08-25 09:52
 環球時報「中国は適切な手段を持つ
 対北支援中断の可能性を示唆
 南北に自制を促す「水面下の外交」も
中国人民解放軍の女性軍人たちが22日、北京郊外の基地で、来月9月3日に予定された戦勝節を記念する軍事パレードに備え、行進訓練を行っている=北京/ AP連合ニュース

 9月3日の抗日戦争勝利70周年記念式典に向け、国をあげて心血を注ぐ中国が、朝鮮半島の緊張状態に強い不快感を示した。国家的目標である軍事パレード成功への影響を懸念する中国は、硬軟両構えの戦略で事態の拡散を防ごうとしている。

 中国共産党機関紙の人民日報の姉妹誌『環球時報』は24日、「中国は朝鮮半島事態の人質にはならない」と題した社説で「現在の南北の緊張が9月3日に予定された中国の軍事パレードと関連する分析が多く出される。朝鮮半島情勢の緊張を高めている勢力の中には、朴槿恵(パク・クネ)大統領のパレードへの出席を不満に思っている勢力がいる」と主張した。社説は「平壌(ピョンヤン)や韓国、あるいは朝鮮半島に影響を及ぼそうとする外部勢力が賭けをしようとしているのかもしれない」とし「悪意のある妨害のせいで、もし何らかの形で軍事パレードが支障を来した場合、中国は座視しないだろう」とした。同紙はまた「中国は、もし緊張が激化して状況が制御できるレベルを超えたと判断したら、明白な反対の意思を表示できる適切な手段を持っている」とし、中国が事態の悪化を防止するために、何らかの手段を講じる可能性を示唆した。

 環球時報の社説は、北朝鮮の挑発が中国の抗日戦勝パレードを狙ったものと見て、批判したものと思われる。北京のある外交消息筋は「中国は緊張を高める勢力を名指ししているわけではなく、北朝鮮の挑発を指しているのは明らかだ」とし「中国は北朝鮮の行動をかなり不愉快に思っているようだ」と述べた。

 韓中議員囲碁交流に参加するために21日に訪中したセヌリ党のパク・サンウン議員は、中国の学者たちから「北朝鮮は先代(金日成<キム・イルソン>元主席)の抗日パルチザン活動を根拠に、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記の訪中に特別待遇を要求したが、中国が拒絶した。これに対する北朝鮮の住民の動揺を懸念した北朝鮮の指導部が、事態を希釈するため韓国を打撃したようだ」という話を聞いたと伝えた。

 「反対の意思を示す適切な手段」などは、北朝鮮に対する中国の支援中断の可能性を指したものと解釈される。しかし、環球時報は韓国と外部勢力にも言及しており、韓国内の訪中反対勢力と朴大統領のパレードへの出席に否定的な意思を示してきた米国も含めて、批判したものと思われる。

 中国は、南北両方に自制を要請する水面下の外交も行っていることが分かった。北京のある外交消息筋は「中国と北朝鮮の間には大使館などの外交チャンネルがある。戦勝行事の成功に心血を注いでいる中国が、朝鮮半島における緊張の高潮に手を拱いて見ているわけにはいかないだろう」と述べた。また、「戦勝行事と関連し、韓国側とも頻繁に接触している」と伝えた。

 中国は9月3日に開かれる軍事パレードに、世界から50カ国首脳を招待し、中国の軍事力を誇示する一方、国内で愛国心を鼓吹させる場として活用しようと力を入れている。特に、中国は米国と英国、フランス、ドイツなどの主要西側諸国の首脳が出席を見送り、ロシアとモンゴルなど10カ国の首脳だけが出席を確定した中で、朴槿恵大統領の出席を重視している。

北京/ソン・ヨンチョル特派員、ソン・ウォンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-24 19:47

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/705779.html  訳H.J

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