「安倍は辞めろ」 「国民を無視するな」
17日夜、安倍晋三日本首相が前日に衆議院本会議で安保法制を強行採決したことに抗議する「国会前緊急抗議行動」集会では、前に出てマイクで「国民を無視するな」とスローガンを先唱する人も、彼を囲んで「本当に止めさせる」 「戦争でなく平和を」などと叫ぶ人も、10代後半~20代初中盤の青年学生たちだった。日本が直接攻撃を受けなくても戦争に出られるようにする集団的自衛権に反対する15~17日の3日間の国会前抗議行動で、昼の時間の集会を主導したのは「戦争をさせない1000人委員会」などの既成世代だった。 しかし午後7時以後の集会を導いたのは「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs/Students Emergency Action for Liberal Democracy - s、以下シールズ)などの若い学生たちだった。 彼らは拡声器と本を持ち、拍子を取りながら毎日深夜12時頃まで集会を続けた。
国民の反対を無視して安保法制を強行通過させた安倍首相の傲慢な“国政運営”が、永く沈黙していた日本の若者たちの政治意識を呼び覚ました。中野晃一上智大教授(政治学)は20日、ハンギョレとのインタビューで今回の安保法反対闘争で登場したシールズなど20代の政治運動は「1970年代に日本の学生運動が衰退した後、初めて現れた現象だ。 特定大学、政党、団体に基づかず、今までなかった新しい形態の運動」と話した。
シールズが結成された契機は2013年12月に安倍政権が安保関連情報を特定秘密に指定し、これを漏洩した者を処罰するよう定めた「特定秘密保護法」を強行採決させたことだった。 中野教授は「このような状況を見て、既成世代が絶望し『日本の民主主義は死んだ』と嘆く時、若者たちは『民主主義が死んだならば再び始めれば良いではないか』と奮い立った」と話した。 シールズは特定秘密保護法反対運動を母胎として5月3日に集いを結成した後、ライン、ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアを通じて、それまで政治に無関心だった若者たちを街頭に呼び集めることに成功した。 2008年5月、韓国の米国産牛肉輸入反対運動で若者たちが主要な役割をしたのと類似した現象だ。
シールズをはじめとする日本の新しい学生運動の特徴は、同世代の若者たちにアプローチするにはどのようにすべきかをよく知っているということだ。固くて難しいスローガンより、「自民党、感じ悪いよね」のように率直でわかりやすいスローガンを掲げて、若い世代の呼応を得ている。 “ハッシュタグ”(#)を付けたこのスローガンは、日本の市民のツイッターなどに乗って急速に拡散している。 2万2000人余がシールズのフェイスブックに「いいね」を押し、15~17日の集会参加を訴える掲示物は3500余回共有された。彼らは参加要請メッセージで「(首相)官邸が気を遣い始める集会参加者数は10万人です。先週参加した2万人余りの市民は各自が5人に訴えてください」として市民の関心を集めた。
彼らの呼び掛けは福島原子力発電所事故以後“生活政治”に目を開いた30~40代にも影響を及ぼしている。日本共産党の機関紙である赤旗は、今回のデモについて「大学生だけでなく制服を着た高校生、子供たちを連れてきたママやパパもいた。『民主主義ってこれだ』『これだ』というコーラーと参加者の掛け合いが夜遅くまで響いた」と伝えた。 シールズの中心活動家である奥田愛基氏は赤旗とのインタビューで「24日の『安倍政権NO!、首相官邸包囲』行動を準備するなど、安保法制を止めるために党派や年代を越えて取り組んでいきます」と話した。若者たちの新しい政治実験が日本社会に変化を作り出すことができるだろうか。